化粧品会社のファンケル会長、池森賢二さんが、今月の日経新聞『私の履歴書』に連載されています。
化粧品ビジネスを始めたきっかけは、きれいだった奥様の化粧っ気がなくなり、顔にたくさんの吹き出物が出ていたことだったとか。
その理由が、それまでに使っていた化粧品が肌に合わなくなって肌荒れをおこしていたようです。
昭和50年代あたりから「化粧品公害」が社会問題になっていました。
池森さんが知り合いの皮膚科の先生に話を聞いたところ、化粧品の中に含まれる添加物が原因で、接触性皮膚炎で外来を訪れる患者さんが後を絶たなかったとか。
化粧品は傷みやすいから、防腐剤・酸化防止剤・殺菌剤などを添加することで3年もたせるようにしています。
それならばと、添加物を抜いた試作品を作って試したところ、「家内が使うと効果てきめんで、肌荒れが嘘のように治った。」そうです。
私は「無添加化粧品を使ったから効果があったのではなく、添加物いっぱいの化粧品をやめたことで肌が回復した」と言い換えたいですね。
化粧品による肌ダメージは、化粧品を止めれば回復してきます。
そこで、池森さんは正義感を抑えられず、無添加化粧品を作ろうと決意します。
また、このようなことも書かれていました。
「とにかく化粧品の問題は何種類も使い過ぎること。既存のメーカーは次から次へと新製品を送り出し、消費者は振り回されている。美しくなりたいと願う女性の心理を巧みに突いてくるやり方だ。」
「化粧品は女性に夢を売っているんです。おしゃれなデザインの容器で、いい匂いがする。それを鏡台に並べ、ぜいたくな気分を味わう。薬みたいな容器に入れてもだれも買わないと思う。(化粧品会社)」
昭和50年代に、すでに化粧品の害に気が付き、女性の肌への悩みを解決したいという志のもとでファンケルは化粧品を作っていたのですね。
社長の立派な志があるからこそ、大きく成長して、長年続く企業でいられるのだと思いました。
私は、無添加化粧品を飛び越えて、「一層のこと化粧品を止めてしまいましょう!」と言いたいです。
不要なものを塗りまくって、肌荒れを起こして、悩んでいるなんて馬鹿げていると思いませんか。
※無添加化粧品とは、ある特定の物質を含まないことを意味しているので、それ以外の添加物を混ぜていても“無添加”と言うことができますので注意が必要です。決して肌に安心ということではありません。
スキンケアの原則は、「肌の保湿成分(セラミド)を逃さないように、各層構造をきれいに保つこと」 これが保湿です。
化粧品を塗ったり、洗顔料で落としたり、ゴシゴシ擦ると保湿成分が流出してしまい、私たちが自ら作り出している保湿成分が失われてしまいます。
化粧品で保湿成分を洗い流して、それで人工でケミカルな保湿剤をどんどん塗り足していく・・・
基礎化粧品の効果は、「皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ」ことだけに意味があると思っています。
角層構造が整い、かつ、適度に皮脂と汗が分泌され皮脂膜が形成されれば、化粧品は不要なのです。
自分の細胞が、最高の保湿クリームを作り出していることを覚えていてください。
それさえ理解していれば、『ハリ、ツヤ、ふっくら若返る云々』というキャッチコピーに惑わされなくなります。
繰り返しますが、基礎化粧品の効果は、「皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ」ことだけに意味があると思っています。
池森会長のストーリーで、当院の使命である「ファンデーションに頼らない素肌づくり」に更なる自信が持てました。
今月は、毎朝「私の履歴書」のファンケル話を楽しみに読んでいます。