医療法人社団晴栄会
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若者の未来を応援したい

何年ぶりでしょうか、クリスマスツリーを飾ってみました。

これ、レンタルツリーです

モノを増やしたくない私にはとても嬉しいサービスです。

最近、娘が我が家の環境整備大臣になりまして、部屋をきれいに片づけるだけではなく、このようにプラスαの味わいも提供してくれます。

乾いた心を癒してくれるので、本当に有難い存在です。

振り返れば、家族とこのように季節を楽しむ余裕なんてほとんどありませんでした。

仕事優先のダメ親でした

 

さて、本題に入りましょう。

社会の変化がハイスピードなのか、

自分自身がそれ以上に変化しているのか、

もしくは変わっていないのか、

何が原因か分からないのですが、

肌で感じる違和感にハッとされられることが増えたように思います。

 

NewsPicksという有料オンラインサイトを時々見る(聴く)のですが、

落合陽一さんとひろゆき氏の対談が目に留まり視聴した時のこと。

「結婚することの意味って何でしょうか?」

「コスパじゃないですか。」

 コスパですか・・・

「結婚すると扶養控除がつく」

 それって、専業主婦(主夫)前提ですよね・・・

「子供が産まれなかったら金銭の問題だけじゃないですか?」

何という身も蓋もない話をしとるんじゃー!と、呆れながらもリプレイして聴き直してみたところ、

事実婚ではなく籍を入れることの意味、という論点でのディスカッションでしたね。

生活コストは折半できるし、

共働きであれば、どちらか片方が病気などで働けなくなってもリスクヘッジできますものね。

確かにコスパ

でも私なら、愛の大切さとか、子供を育てる幸せとか、家庭を守る忍耐力とか、そういうウェットな話をするんだけどな、と思ってしまいました。

私が結婚した理由は、人生の経験値を増やしたかったことと、子供を産んでみたかったからです。

自分のDNAを受け継ぐ子供ってどんな子だろう?

お金のことなど全く考えませんでしたけれどね。

これって、男女脳の差なのでしょうか、年齢の違いなのでしょうか、個人の考え方なのでしょうか。

 

あまり年齢を意識するのは好きではありませんが、

自分自身が「老害」に片足突っ込んでいないか?と思う瞬間があります。

よくあるのが、無意識に思っている「~あるべき」論が頭を見せる時。

誰よりも柔軟に物事を考える方だと自覚していたのに、

気付けばステレオタイプ化している自分がいる瞬間に気づくこともあるわけです。

「あるべき論」に支配されないように意識したいものです。

 

しかし、異なる時代を精一杯生きてきた高齢者に対する尊敬の念はありますので、何でもかんでも十把一絡げに「老害」と一言で片づけるのも気に入らないのです。

いい歳した大人が若い世代に取り入るような姿勢の裏には、得体のしれない軽薄さすら感じてしまいます。

 

とは言え、老害とならないよう学び続け、自分の出来ることに取り組んで少しでも社会の役に立とうと思うわけです。

そのために読書でインプットしているのですが、最近読むスピード(理解力?)が落ちるし、集中力も低下しています。

読書ってエネルギーが必要なんですよね。数年前まではあまり感じなかったのですが、最近は元気がないと読めません。

日々の診療で患者さんとたくさんお話をするのは大好きなのですが、顔に対する施術を行うにはそれなりに集中力が必要です。診療での集中力が落ちているとは感じませんし、今でも治療結果は向上しているとさえ思っているほどです

※記憶力は低下しています

ということは、人間としての年間総エネルギー量が落ちているということなのでしょうか。

あれしたい、これしたい

あれ欲しい、これ欲しい

愛したい、愛されたい

そういう自己を満たすような欲求が、消えゆくロウソクの炎の揺らめきのごとく、小さく小さくなっていきます。

それと反比例するように、これからの若い世代の人たちが活躍できるような社会にしたいという思いが膨らみます。

幕末の志士たちのような20~30代の人たちが、これからの日本を良くするために活躍できる世の中になって欲しい。

停滞中の日本を見限って、優秀な能力を海外へ流出させないようにして欲しいと心から願います。

 

遣唐使に思いをはせて

日本の歴史、特に古代~奈良時代に魅力を感じています。

20代の頃から日経新聞を読むのが日課でして、

文化面に連載小説がありますが、

今ちょうど『ふりさけ見れば』(阿部龍太郎作)を毎朝の紅茶と共に楽しんでおります。

遣唐使として唐に渡り、玄宗皇帝に取り入れられ、日本への帰国が叶わず一生を唐で終えた阿倍仲麻呂が主人公です。

阿倍仲麻呂といえば、百人一首にある「天の原振りさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」で有名ですね

西暦700年代が舞台。日本は天皇を中心とした新しい律令国家を作るために、古事記や日本書紀が編纂された頃のお話です。

物語の詳細は省略しますが、

今朝驚いたことは、昔の人の時の流れる感覚距離感です。

日本からの使者は、海に近い❛蘇州❜という場所にいて、

皇帝に対面するために❛洛陽❜という内陸の都市に行くことになりました。

中国大陸は広いので、一体どのくらいの距離を移動するのだろうか?とgoogleで調べたところ、

937.1㎞、現代の車移動で9時間35分かかるそうです

(ちなみに、東京⇔福岡の距離は1072.2km、車移動で13時間2分です。)

この移動をするために、2月10日に蘇州を出発し、3月15日前後に洛陽に着く予定だと書かれています。

そして4月1日に皇帝に謁見するとか。

 

移動に1か月以上ですよ・・・

移動は馬に乗るのか歩くのか知りませんが、起きている時間の大半を移動に費やし、その時間は一体何を考え、どんな景色を観て、皆と何を話していたのでしょうか?? 移動中、体が辛いとか、お腹が空いたとか、あの娘可愛いなとか、何を感じていたのでしょうか??? どんな宿に宿泊し、何を食べていたのでしょうか。山賊に襲われる危険はなかったのでしょうか。

昔と今を比較すること自体ナンセンスかもしれませんが、生活様式があまりに違いすぎることに、違和感を感じずにはいられません。

中国から仏教など学んできたエリート日本人が残した書物、経典、仏像、美術品、建築などは、1000年以上経っても輝きを放っています。

私など一生かかって何を残せるのかと、己の生きてきた道のりが驚くほど軽薄なことに嫌でも気づかされてしまいます。

 

先日、学会帰りに奈良を再訪した時、遣唐使船の実物大のレプリカを見ました。

「こんな木の船で、荒波を乗り越え大陸に渡ったの?」というような小さい船でした。

日本という国家の基礎を築くために、命がけで大陸を目指したエリートたち。

江戸末期に渋沢栄一や薩摩・長州の武士たちが欧米諸国へ学びに行きましたが、それより1000年以上前のことですから、遣唐使の方々には本当に頭が下がります。

物質的な豊かさは満たされた今、我々は何を求め、何を学びに、どこに行くべきなのでしょうか。

そのような哲学的な問いを立て、思考する時間を得るためにも、1か月くらい歩いて移動する時間は貴重なのかもしれませんね。

奈良を観光する時、ついつい効率よく巡ろうなどと欲が出てしまい、観光タクシーを利用してしまうのですが、

先日患者さんから、

「先生、奈良は是非歩いて回ってくださいね。」とアドバイスを受けました

そうですよね、時短のために使うテクノロジーが、どれだけ地球に負荷をかけ環境破壊につながるのか猛省

賢者は歴史に学ぶ、ですね。

 

 

 

 

 

恩返し

勤務医だった若かりし頃、医師という職業柄か、私は年上の人から色々な恩恵にあずかっていたことを思い出します。

研修医の給料は激安でしたし、若さ故の図々しさと言いましょうか、喜んで頂戴していました。

モノだけではなく、食事にご一緒したり(やましいことはありませぬぞ主に女性です)、自宅にお招き下さった方もいました。

困ったときに手を差し伸べて下さる優しい方も

また、物事の考え方とか暮らしの工夫など、生きる上での知恵も授かりました。

人生の先輩方に、たくさんのご恩を受けたことを深く自覚し、感謝の念に堪えません

 

月日は流れ、いよいよ中高年になった自分が、若い人たちの役に立てるようなことをしたいなぁ、と思えるようになりました

近年いろいろな人のお世話になる(サービスを受ける)ことが多く、20~30代の若いしっかりとした、感じの良い青年と出会う機会が続いています。

「こんなに気の利く若者たちがいるのなら、日本も捨てたもんじゃない」と思うわけです。

不動産屋さん、お掃除サービス、仕事絡みの営業担当、弁護士、医師、整体師、タクシードライバー、駐車場バレーサービスなどなど。

熱心な働きぶりとコミュニケーション力の高さに感心すると共に、純粋に“プラスαのお礼”をしたくなるものです。

欧米でのチップのようなものでしょうか。

※手前味噌ですが、当院のスタッフも愛情溢れる思いやりのある接客をしてくれます

 

自分が応援したい人に「ありがとう」の気持ちを込めてお金を使えることは、幸福度が増す行為だと思います。

老後のための生活費を貯蓄したり運用することばかりがメディアでフォーカスされていますが、それはちょっと違うかな?と思っていつも聞き流しています。老後2000万円問題とか言って煽っていますよね。

ただ貯金を殖やしても、インフレが来ればお金の価値など下がってしまいます。

若い時には、自分のスキルアップのために自己投資するほうが、よほどリターンが大きくなると思うのですが。

大切なのは「使い方」であり、貯めることではありません。

応援したい会社への株式投資はまだ理解できますが、自分のお金が何に使われているか分からないような金融商品にお金をつぎ込むのは、いいお金の使い方とは思えません。

募金は本当に困っている人のところに届く前に、運営事務局がかなり搾取しているという話も聞きます。

私は、直接ご縁のある人たちに、応援目的でお金を使うように心がけています。

何か物を買うときは、極力国産のものを買うようにしています。生産者が見えるようなものがいいですね。

 

お金の集め方・使い方の話は、日本では敬遠されがちですが、私はとても大切なことだと認識しています。

お金は人を自由にさせてくれますし、チャンスも増えます。

経済的自立こそ、自己肯定感を高める大切な要素です。

そして、人のために使える喜びを噛み締めた時、大人になったな、と感じるのではないでしょうか。

 

私の周りには、被災地や病院に多額の寄付をしたり、ボランティアに参加したり、チャリティーパーティーに参加したり、芸術家のパトロンになるなど、ダイナミックな行動をする人生の先輩方がまだまだいらっしゃいます。

人間関係は財産です。

良い刺激を与えて下さった善い先輩方を見習って、少しずつ恩返しをしていこうと思います!

 

 

白銀の冬

2年毎に区の婦人科健診を受けています。

有難いことに、私は婦人科疾患から無縁でございますっ

特に出産後はさらに健康になりました。

子宮筋腫も内膜症も月経困難症もなく、超音波検査では「子宮も卵巣もキレイですね」と褒められます

そんな私も人生の秋を迎えまして、いよいよ枯れ行く裸体に時の残酷さを感じずにはいられません。

先日、熱海のMOA美術館で、葛飾北斎の富嶽三六景と歌川広重の東海道五十三次を鑑賞しましたが、浮世絵に出てくるコミカルな庶民派おじさんと自分自身が重なり、もののあわれなりけり

 

婦人科で頂いた更年期小冊子に、とても印象深い一節がありましたのでご紹介しましょう。

 

一本の樹を思い浮かべて下さい。

花盛りの春から、緑濃い夏を過ぎて、いまは紅葉の秋。

これから美しい白銀の冬がやってきます。

・・・・・

 

女性の一生を樹木に例えていますが、

「これから美しい白銀の冬」

とは、何て甘美な響きなのでしょうか!

50代は紅葉の秋。

枯れ行く落ち葉が“抜け毛”のようで、もの悲しく感じますが、60代からは白銀の冬が待っているなんて

全ての音は雪に吸収され、静寂の中にも美しさを解き放つ銀世界。

人生の秋冬コレクションはどんなテイストにしましょうか?

 

更年期といえばホルモン補充療法。

女性ホルモンが減少すると、ほてり・ホットフラッシュ・めまい・イライラ・疲労感・無気力など様々な更年期症状が現れます。

美容的には、皮膚の水分量低下、コラーゲンが減少してシワが増えるなど、見た目の老化も加速します。髪も細く薄くなります

仕事柄、ホルモン補充療法についてよく質問されますが、

私の考えは、更年期症状が辛ければ、それを和らげる目的で使用すれば良いと思っています。

マイナスのQOLを底上げできますからね。

長期のホルモン治療は乳がんのリスクが高くなることもあるようです。医療を受ける際は、リスクとベネフィットを天秤にかけて判断するようにしたいものです。

通常は3~5年程度で、更年期症状が治まれば治療を終えるようですが、中には死ぬまで若々しさを求めて続けることもあると、婦人科の先生はおっしゃっていました

私は更年期症状で悩むことはほぼゼロですので、今のところはホルモン補充療法を受けておりません。

特に困っていることもないけれど、美容目的でやりたいというのであれば、まずは食生活や運動など生活習慣の改善を心掛け、プラセンタやサプリなど活用し、レーザーやボトックス・ヒアルロン酸注入で肌の若返りを計ればよいのではないでしょうか。そして何より効果的なのは、愛すべき対象へ十二分の愛情を注ぎ、幸せホルモンで心を満たすことでしょう!最近患者さんを診ていて思うことは、ペットやお孫さんはもちろんのこと、“推し”を見つけて応援活動することも、かなり心の安定に繋がっているような気がします。“推し”の話をする時は目の輝きが違いますし、良い感じに表情筋が緩み、口角は挙上して、とてもチャーミングな微笑みを見せてくれます。

 

自分なりの素敵な「白銀の冬」を考えながら、穏やかに紅葉の秋を過ごしたいものです。

 

 

楽しんでいますか?

オリンピック 男子サッカー準決勝

スペインに負けてしまいました

しかも延長の最後の最後で。

悔しいですよね、全く

 

さて、最近時々オンライン学会を視聴するのですが、集中力の無さに愕然としています。

ついつい他のことをやりながら視聴すると、マルチタスクは全く効率が悪いですね

いや、話自体が面白くない、話し方が下手!と演者に責任をなすりつけたくなるくらい頭に入りません。

自分の脳力が下降曲線に突入したのでしょう。

 

そんな中でも、キラリと頭に入ってくる発表がありました。

「ニキビ治療をいかに継続してもらうか」という内容の発表です。

ニキビ治療は慢性炎症性疾患ですから、年単位の時間がかかるものです。

だから治療を続けてもらわなければ、結果を出すことができません。

通院してもらうことが何よりも大切なのです。

治療を中断してしまう理由No1は、

ナント 「医師の態度(の悪さ)」だということです

 

高圧的で偉そうなお医者さん・・・

しかめっ面で怒っているお医者さん・・・

忙しそうで話しかけずらいお医者さん・・・

無表情で淡々と説明するお医者さん・・・

嫌ですよね。

 

発表した先生は、講演中に、

「この会場で楽しく生きている先生は手を挙げてください」

と問いかけると、数人しか手が挙がらないと言っていました。

医療従事者が楽しく生き生きと診療していると、患者さんは安心して通院してくれるのではないでしょうか。

特に笑顔が大切です

しかし、マスクが日常化してしまった今、本気で笑わないと他人に笑顔が見えずらくなってしまったようです。

 

私は診療中、様々な表情を写真撮影して記録に残しますが、

日本人は笑顔が苦手だなぁ、とよく感じています。

心から楽しんでいる時でないと、自然な笑顔が出てきません。

目が笑っていないと、不自然なつくり笑顔になってしまいます。

感情を表に出すことを善しとしない文化がある日本だから、仕方がないのかもしれませんが、いつも笑顔でご機嫌な人の周りには人が集まるし、不機嫌そうな人には近寄りたくないのが人情ってもの。

 

私は若いころから、仕事も遊びも同じくらい大切にしていたので、遊ぶときも真剣に取り組みます。

不思議と遊びに集中している時のほうが、仕事が上手くいくと感じています。

いや、仕事すら遊びの一環と感じているのかもしれません。

イベントを企画する時なんて、本当にワクワクしちゃいますから。

楽しい!と心の底から感じることで、たくさんのエネルギーが生まれるのだと思っています。

 

仕事は辛く嫌なものではなく、楽しく大好きなものでありたいですね。

自分が幸せでいることが、周囲に影響を及ぼすということを、医療従事者として深く納得させられる素晴らしい講演でした。

老い

今月の100分de名著は、フランスの哲学者ボーヴォワールの『老い』を、社会学者の上野千鶴子さんが解説していました。

アンチエイジング美容医療をやっている私にとって、『老い』というものはいつも身近にあり、深く考えさせられるテーマです。

20年以上美容医療をやっていますと、当然ですが患者さんも私も年をとります。

40代だった人は60代になり、50代だった人は70代になり、一人ひとりの患者さんの人生と老いに寄り添いながら、確実に『老い』を意識させられました。

3年前に母が病気になってから、より一層『老い』について考えるようになりました。

 

ボーヴォワールの主張は、「老いは個人の問題ではなく社会の問題である」ということです。

老いとは個人が努力で克服するものではなく、社会の問題であり、文明の問題であると言っています。

変化の早い消費社会において老人は「廃品」として扱われていると述べています。

アメリカの人類学者、ドナルド・カウギルは、変化が速い社会ほど老人の地位が低いと言います。

「若々しいですね」という誉め言葉は、若さに価値があるということ。古さの価値が否定される、変化の早い現代ならではの誉め言葉ということになります。

私は若々しさを求め、そのお手伝いをする仕事をしていますが、若いという意味には、「生き生きとしている」「前向き」「元気」「魅力的」といった意味での称賛があるのだと思います。相対的に若々しいということ。古さを否定しているとは考えていません。

 

さて今日は、年に2回の母の病院受診に付き添いました。

1人で受診できるカラダではありません。

受付をして、検査・診察を終え、お会計が済むまでに5時間弱かかりました。

私の自宅から母の家まで車で1時間ほどかかります。

行きと帰りの往復に車を運転すること4時間。

1日がかりです。

ペチャクチャおしゃべりするだけでも刺激になるだろうし、ちょっとは親孝行になればいいかなと自分に言い聞かせながらも、どこか責任感のようなものに突き動かされて行動している自分に、真の親孝行にはなっていないと、嫌な部分を感じてしまいます。

お許しください、仏様

 

夜8時過ぎに帰宅。

愛犬の熱烈なお出迎え。彼女は嬉しすぎて興奮のあまりおしっこをチビリます

しかも、今夜は私のベッド上に・・・

仕事が増えるじゃろうが

粗相を片付け、餌をやり、ホッと一息。

テレビをつけると、アマゾン創業者が人類初“民間宇宙旅行成功”のニュースが

ちょっとだけ「え!凄くない?」と感じたのは事実。

『老い』と終日向き合った私にとっては、絵空事のように思えました。

ていうか、ロケット飛ばすのにどんだけエネルギー消費して、CO2出しまくるの

エコとかエシカルとかSDGSとか言っちゃって、宇宙旅行??

地球を大切に守らなきゃならないのに、地球を見捨てて人類は宇宙ステーションに移住するのでしょうか。

かつてヨーロッパの人たちがアメリカ大陸を目指したように。

そして宇宙に住めるようなカラダを作るために、我々ホモサピエンスは遺伝子組み換えが行われ、もはや人間でなく違う生命体に進化(?)するのでしょうか。

 

高齢社会となり、ケアの必要な高齢者が沢山いる一方、科学の進歩により宇宙旅行まで可能になった現代社会。

私たちはどこを目指しているのでしょうか。

 

 

 

論語と美容

大河ドラマ「青天を衝け」をご覧になっていますか?

江戸幕末から明治にかけて活躍した、実業家・渋沢栄一のお話です。

この時代は激動の時代で、登場人物も素晴らしく、ワクワクしちゃいます。

渋沢は農民(豪農!)出身ですが、幼少期から四書五経を学び、商才に長けた賢い人でした。

混乱する幕末期には、尊王攘夷派として血気盛んな若者でしたが、縁あって一橋慶喜の家臣となります。(尊王攘夷から幕府側へ??)

フランス皇帝ナポレオン三世より1867年パリ万博に招待され、慶喜の弟・徳川明武と共に、ヨーロッパに1年ほど西欧の最先端を学びに行きました。(この時代に外国へ行くなんて、相当のエリートですよね。)

明治維新により帰国後、大蔵省に入り、新しい日本の国づくりに活躍。

5年ほど勤めた後、大蔵省を辞め、実業界へと踏み出します。

欧米列強と競い合い、国を豊にしていくためには、正しく利益を出す経済活動をすべきだという理念がありました。

私利私欲ではなく、国全体を豊にするために一生を捧げた渋沢栄一は、銀行や保険会社、電気・ガス会社、ホテル、鉄道会社など約480社もの設立に関わりました。

まさに、実業界の父と呼ばれるにふさわしい活躍を続けていきました。

 

彼の著書である「論語と算盤(現代語訳)」には、今まさに私たちのあるべき姿の見本となることが、とても分かりやすく書かれています。

渋沢の行動規範は、孔子の「論語」です。儒教の教えですね。

私が研修医の時に出会った先輩医師は、日頃の臨床医療現場において、孔子など古典の教えを散りばめて教えて下さいました。

恥ずかしながら、20代半ばであまり中国古典など触れたことがなかったものですから、全てが新鮮で知識欲が湧きたちました。先輩医師に馬鹿にされないよう、言われたことを書き留めて、後で復習していたほどです。

◎小人閑居して不善をなす(暇な医者はろくなことをしない)

◎学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば即ち殆し(学びも実践も大切だよ)

◎巧言令色鮮し仁(調子のよいことを言う人には気を付けなさい)

◎君子の交わりは淡きこと水の如し。小人の交わりは甘きこと醴の如し(さらりとした付き合いが大切だよ)

◎天網恢恢疎にして漏らさず(天は悪い行いを見逃さない)

 

江戸時代の武士や上流の百姓町人は、皆中国古典の教育を受けていました。

その目的は「心を磨くこと」

心を磨けば、自ずと自分を磨くようになり、家族をまとめ、国をまとめ、天下を安定させることにつながります。

 

心の教育・・・

私は子供を産んだ頃、幼少期に漢詩を「素読」させると前頭葉の回路が発達して、生きる力が身につくということを知りました。カレンダ―の裏にマジックペンで大きな文字で漢詩を書き、寝る前に娘と音読したことがあります。意味は全く分からなくても良いそうです。3歳の頃には、般若心経も丸暗記しました。小学生の頃には、平家物語や竹取物語など日本の古典も諳んじていました。そのせいか分かりませんが、20歳になる娘はとても優しい心のあるバランスの取れた人間に成長したと、親として非常に嬉しく思っています。自慢ぽくてスミマセン

 

原点回帰すべきは古典ではなかろうか?

「論語と算盤」には、人間としてあるべき姿を的確に書かれています。

この点は、当院の経営理念にも取り入れられる内容だと思いました。

 

「自分磨き」と聞いて、何を思い浮かべますか?

エステ、ネイルサロン、美容医療・・・といった、外見を取り繕うことを「自分磨き」と取り違えているようでは、日本はお先真っ暗です。

心を磨き、人格を高めるためのサポートとしての美容医療でありたいと思います。

お伊勢参り

念願のお伊勢参りを果たすことができました!

2015年に出雲大社を訪れてから、神話の世界に興味を持ち、それならば外せないのが伊勢神宮。

日本人の精神性、日本人とは何か?を感じるためにも、絶対に外せないスポットです。

平成から令和に変わった2019年に行く予定でしたが、家族の病気で中止になってしまい、2020年にはコロナ禍でそれどころではなくなりました。

やりたいことはやる!山口麻子です。

緊急事態宣言明けに早速GO.

初日は小雨の中、下宮参拝。

人はまばらで、思ったより小規模だったものですから、「え?これが伊勢神宮?」と感じるほどでした。

 

そこから電車で賢島へ。

2016年にサミット会場だったところです。

私は賢島がひどく気に入りました

こじんまりとしたホテルに滞在しましたが、貸切露天風呂で、食事も個室。

他のお客様には全く会うことのない空間でした。

部屋の窓から眺める英虞湾の景色と、きれいな空気。

騒音一つない静寂な世界。

聞こえるのは鳥のさえずりのみ。

窓を開放して、ひんやりとした空気に触れ、鳥の鳴き声とスロージャズのミックスバージョンを浴びながら、最高の気分を味わいました。

ああ、幸せだ、何て心地よいのだろう

夕暮れのだんだん群青色に染まる空を見上げながら、この上ない幸福感に包まれました。

東京では決して味わえない世界。

命の洗濯、大切です。

 

翌朝、再び伊勢神宮・内宮へ。

昨日と打って変わって青空となり、お昼ごろの到着時には人・人・人。

人が多すぎて、賢島のような静寂さは味わえませんでした。

江戸時代はお伊勢参りが庶民のブームになったほどですから、立派な観光地です。

ガイドさんに案内してもらいながら、内宮を歩き、参拝したり、ご神木に触れたりetc.

 

紀元前93年、第10代天皇である崇神天皇の時代に、全国で疫病が蔓延し、多くの人が亡くなりました。

これを皇居に祀っていた天照大御神の祟りと考え、疫病を鎮めるために天照大御神を皇居の外に出すことにしました。

すると間もなく疫病は治まったそうです。

紀元前5年、皇族である倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大御神を祀る場所を探し、伊勢神宮内宮に鎮座することになりました。

ナント、2000年以上前のお話です。

その500年後、衣食住を司る神、豊受大御神(とようけのおおみかみ)が外宮にが鎮座することになりました。

 

伊勢神宮の式年遷宮は、2013年に行われましたので、まだ記憶に新しいと思います。

お社だけだと思っていたら、橋や鳥居まで全て20年毎に新しくしているとか!!

690年に第一回以来、1300年にわたり続いているのですから驚きです。

南北朝時代に120年ほど中断されたようですが、それ以外は20年毎に行われ、2013年の遷宮は第62回とのこと。

日本皇室の歴史の厚みに驚かされます。

誰から強制されることもなく、ただただ伊勢に足を運びたくなる日本人。

私たちがどういう歴史を辿ってきたのか。

何を大切に暮らしていたのか。

日本人にとって天皇家とは?

これからどのような国(社会)にしていきたいのか。

などなど、考えされられます。

 

和を以て貴しとなす日本、私は大好きです。

礼儀正しく、清潔で、困っている人がいたら助ける。

勤勉で親孝行。

謙虚で誠実。

素晴らしい日本人の精神性は世界に誇れるはずです。

 

 

 

 

 

2020年振り返り

いよいよ2020年も終わりです。

今年は今までに経験したことのないようなことが連続の、特別な1年でした。

 

記憶に残っていることを書き留めておきます。

・記録的な雪不足で、2月の白馬八方尾根は土がむき出しになるほどでした。

・4月の緊急事態宣言により、患者数がぐっと減った影響で、スタッフのシフト調整を行いました。

・売上が減少したので、各種助成金を申請しました。

・コロナ流行の影響で遠のいた患者さんもいますが、新しい患者さんとの出会いもたくさんありました。

・積極的にLINE配信を行い、患者さんとのやり取りがスムースになりました。

・化粧品をやめるライフスタイルを応援するウェブサイト「肌ルネ」オープン

・ドラマ「オスマン帝国」にハマる(現在進行形)

・夏は車の免許を取ったばかりの娘の運転練習に付き合いました。

・夏の数か月間、早朝散歩を続けました。(冬季休業!)

・クリニックの14周年をきっかけに、ヒアルロン酸注入に力を入れ、患者さんに喜ばれています。

・恩師宇津木龍一先生との対談動画にチャレンジ

・対面での学会や勉強会がすべてオンラインに変更となり、スタッフと学会旅行が出来なくなりました。

・毎年恒例だった長野での研修合宿が中止となりました。

・毎年恒例の屋形船忘年会も中止しました。

・愛犬ムニエルが胆嚢炎で入院しました。

・2年ぶりに筋トレ再開

・12月恒例のイベント「白金2020」は大盛況、笑いと驚きの渦でした。赤いジャケットがお気に入りです。

 

私は手帳にメモを残していますので、1年を振り返ると、結構いろいろなことがあったことに気づきます。

あっという間でしたが、いろんな出来事があり、一つひとつ意味のあることなんだなぁと感じています。

この年になって、自分の足りないところを痛感させられる出来事もありました。

そして、人の優しさが身に染みる場面が何度もありました。

我々人間にとって大切なことの本質を垣間見れたような気がします。

2020年は悲惨なニュースば多いように感じましたが、

私にとってはかけがえのない貴重な1年だったと有難く思っています。

 

さて、来年はどのような1年になるのでしょうか。

どう感じるかは自分次第!

何があっても、私にとってはきっと良い年になるような気がします。

 

本年も大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

倍返し

娘がもうすぐ成人式を迎える。

最近は、事前に写真撮影だけ“前撮り”をするというのだから、平和過ぎるというか驚きである。

しかも、デジタル写真だから、あらゆるシーンを用意して撮れるだけ撮りまくる。

その中から何枚選んでアルバムを作成するか?によって価格が異なる。

10カット5万円~ いろいろなオプション付きで最大20万円。アルバムだけの価格である。

こういう時、父親は欲張って高額プランを選択する。

母親と娘は冷静で、必要なものだけ選ぶものだ。(我が家の場合)

ということで、下から2番目のプランに決定。

せっかく着付けとメイクまでしたのだから、親族で集まりお祝い。

小さいときから穏やかな性格で優しく朗らかな娘は、皆に愛されている。

祝福され成人式を迎える娘。

 

私は成人式というものをやっていない。

着物も着ていないし、写真もない。

天邪鬼だったから、皆がするようなことに対する反発心もあったと思う。

誰にも祝福された記憶がない。

19~20歳の私は、いろんな意味で難しかった。

たぶん人生で一番辛かった時期だと思う。

そのように導いたのも自分自身だった。

ひねくれ者の娘を、両親はどのように思っていたのだろうか?

親思う心にまさる親心・・・

 

我が娘は、私の虚しい成人式を“倍返し”してくれたように感じた。

まさに「禍福あざなえる縄のごとし」

 

 

 

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