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ワセリンが合わない人もいる⁈
診察室徒然日記
ワセリンは石油から不純物を取り除き精製した炭化水素です。
「白色ワセリン」や「プロペト」という名前で処方されており、外用軟膏の基材にもなっているほど刺激性の低い物質です。精製度をさらに高めた最も不純物の少ないワセリンが「サンホワイト」です。
宇津木龍一先生が、ワセリンを使用する3つの条件をお話しなさっていましたが【肌断食対談】肌断食のきっかけとワセリン使用3つの条件 クリニック宇津木流 宇津木龍一先生 × 白金ビューティフルエイジングクリニック 山口麻子 – YouTube その条件とは以下のものでした。
- 粉を吹いて毛羽立つようなとき
- チクチク痛い、または痒いとき
- 表面がバリバリしていて、皮膚を柔らかくしたいとき
当院でも、ワセリンを塗る必要がない方には使用を中止していただく場合があります。
よくある間違った使用方法は、ご自身の皮脂が十分に出ているのにも関わらず、今までの色々なものを塗っていたケアから考えると、何も塗らないということ自体に心配になってしまい、ワセリンを必要以上にたっぷり塗ってしまうことです。
ワセリンは分子量が大きく皮膚に吸収されることはありません。皮膚表面をコーティングするため、塗り過ぎてしまうと重たくなり、代謝されるべき角質がはがれ落ちることができずに皮膚表面に残ってしまいます。
それを続けると、角質が溜まってしまいごわごわとした肌触りになり、ときに角質と角質の間で酸化した皮脂が炎症し、肌荒れを引き起こす場合もあります。
人間の脳は、常に安定を求めており、今までの安定を崩すような大きな変化に対して危機感を感じるのだそうです。
そのため、はじめのうちは不安を感じるかと思いますが、少ないかな?程度にワセリンを塗り、洗顔後30~40分経ってもどうしても表面がバリバリとしてくるようでしたら塗り足すくらいの気持ちで良いと思います。
逆にだんだんと皮脂が出るような方は必要ありません。
ワセリンを塗ると痒みがでてしまう方も、少数ですがいらっしゃいます。
赤みや痒みがでることは、乾燥している場合もありますが、ワセリンが肌に合わない場合もあります。ニキビや脂漏性皮膚炎のような脂性肌は、ワセリンをたくさん塗ることでかえって皮膚状態が悪化することもあります。
赤みや痒みが出て治らない場合は、一旦使用を中止してみることも方法のひとつです。
肌に合わせて化粧品の種類を選ぶことと同様に、その時の肌の状態や季節に合わせて洗顔方法や、ワセリンの有無や使用量、その時の肌に合わせたスキンケアを自分なりに確立してみてください。