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毛細血管と美肌の関係
肌と環境因子
有酸素運動で肌がきれいになる
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などの長時間継続して行う運動を指します。これらは運動中に筋肉を伸縮させるためのエネルギーを、酸素と体内の糖や脂肪が作り出すことからこう呼ばれています。
1日30分以上、週3回の有酸素運動を半年続けると、毛細血管は30倍~50倍増え、逆に運動しなければ数十時間で減っていきます。
美肌作りのキーは血流です。自力で体を動かし、内側から熱をつくって汗をかく運動には、いくら外側からの温めや刺激をしてもかないません。
美肌をつくる毛細血管とは
毛細血管は体内の血管の9割以上を占めており、動脈や静脈のような太い血管は、わずか1割程度しかありません。
また、一人のヒトの毛細血管を繋ぐと約6万~7万キロの長さになると言われ(地球一周が約4万キロです。)、それらが身体の隅々に張り巡らされているのです。
毛細血管の太さは5~10マイクロメートルで、1㎜の約100分の1の細さです。
全身の細胞に、大切な栄養分や酸素を届け、老廃物を回収して静脈に送るという重要な役割を担っています。
また、毛細血管から運搬されてきた栄養を受け取り線維芽細胞が活性化されることによって、コラーゲンの産生力が上がるといわれています。
きれいな毛細血管の密度が高いほど、肌で作られるコラーゲンの量が増えて肌の弾力が保たれます。
毛細血管は適度な運動で復活
本来スムーズに流れるべき血液が何らかの原因で滞り、血流が途絶えて消えてしまった毛細血管のことを「ゴースト血管」と言います。
50歳前後の健康な人を、2週間寝たきりにさせたところ、毛細血管が25%も減少していたというアメリカの研究結果もあります。
ゴースト化し、減少してしまった毛細血管を復活させるため、また血流をアップさせ、毛細血管を鍛えるためには、適度な運動が不可欠です。
アスリートのように普段からかなり強い運動をしていると、血管にとっては負担が大きくなる場合もあるため、できるだけ簡単で、負荷の軽い運動を継続して行うことが大切です。
毛細血管の劣化と見た目の老化
肌細胞に酸素や栄養分が正常に届かないと、まずターンオーバーが乱れていきます。
更に、コラーゲンやエラスチンなどのうるおい成分をつくり出す繊維芽細胞が活性化されず、くすみ、シワ、しみ、たるみの原因となります。
また、頭皮の毛根の下にも、毛細血管が張り巡らされています。
毛細血管が劣化することで、髪をつくるための栄養分が届かず、髪が細くなり、薄毛、抜け毛の原因にもなると考えられています。
毛細血管の劣化は肌と髪、見た目年齢に大きく影響します。
参考文献
- NHK BSプレミアム 『美と若さの新常識』
- 株式会社 健康科学研究所