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石けん③
肌と化粧品
香粧品関係
2021/01/13
石けんの製造方法について
石けんの製造方法は、石けんのもととなるアルカリと、何を反応させて出来るかによって異なります。
油脂そのものをアルカリで加水分解する「鹸化(けんか)」と、油脂から取り出した脂肪酸とアルカリを直接反応させる「中和」、油脂とメタノールが反応する「エステル鹸化(けん化)」の3通りの化学反応を利用してつくられます。
鹸化
鹸化とは、油脂そのものをアルカリで加水分解する方法です。
実際の方法としては、以下のようなものがあります。
- 釜炊き鹸化法(鹸化塩析法・焚き込み法)
- 冷製法
①釜炊き鹸化法(ホットプロセス、バッチ法)
釜に入れた原料油脂とアルカリ剤を撹拌しながら加熱し、鹸化反応を起こして石鹸を作る、昔ながらの石けんのつくり方です。
- 鹸化塩析法:
純粋な石けん分は、塩水のような電解質には溶けない性質があります。
鹸化塩析法はそれを利用して、石けんの元となる石鹸膠(にかわ)を何度も塩水で洗って、不純物を取り除くことで、純度の高い石けんになることが特徴です。 - 焚き込み法:
鹸化反応が終わった後に塩析しない方法です。
塩析をしないので、できあがった石けんにはグリセリンのほか、未反応の油脂や油脂中の不純物もそのまま残ります。そのため純度はあまり高くなりません。
家庭や地域で小規模につくられる廃油石鹸は、この方法でつくられることが多いです。
残った不純物が保湿剤の働きをして肌に優しい石けんもある一方、その不純物が原因で変質が早まったりすることもあります。
②冷製法(コールドプロセス)
油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加えて撹拌し、釜などで加熱せずに化学反応の熱だけで鹸化するのが特徴です。
家庭でも比較的簡単に行えるため、この方法で手作りしている方も多いですが、反応熱を利用するため時間がかかります。
焚き込み法と同様、グリセリンのほか、未反応の油脂や油脂中の不純物が残るため、石鹸の純度はあまり高くなりません。
しかし、保湿成分が残ることで洗浄力をマイルドなものに仕上げることができるため、わざと未反応の油脂が残るよう設計する場合もあるそうです。
参考文献
- 新化粧品学 第2版
- 石鹸百科