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紫外線吸収剤1
肌と化粧品
香粧品関係
2021/03/24
日焼け止めは、太陽光線中のUVA、UVBの両領域の紫外線をカットし、紫外線による悪影響から肌を守る目的で使用されます。
一般的に紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類の成分で成り立ち、その他油性成分や乳化剤、保湿剤や香料が含まれます。
近年では敏感肌用として、散乱剤のみを使用した日焼け止めも多く販売されています。
紫外線吸収剤とは
紫外線吸収剤とは化合物そのものが紫外線を吸収し、熱エネルギーに変換させることで肌内部に紫外線の悪影響が及ぶことを防ぎます。
多くはUV-AまたはUV-Bいずれかの波長領域のみに吸収効果をもち、それぞれ最大吸収波長という最も吸収する紫外線波を持っています。
通常日焼け止めは、紫外線散乱剤や波長領域の異なる紫外線吸収剤などと多様な組み合わせで紫外線防御機能を向上させます。
これらはとても一般的に使用されていますが、皮膚表面および角層で効果を発揮するため、皮膚刺激などを引き起こしやすく、ポジティブリスト*に収載され、配合制限があります。
*ポジティブリスト…化粧品基準で定められている防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素のうち、原則として禁止されている中で、例外として許されるものを列挙したリストのこと。配合規制がある。
紫外線吸収剤の代表的な成分
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
長波紫外線であるUV-Aを吸収する吸収剤は数少なく、その中のひとつがt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンです。UV-A吸収剤としては特に頻繁に使われます。
また、紫外線で劣化しやすい成分が配合されている化粧品を紫外線から防御し、製品自体の退色・変色防止効果として使用されることもあります。 - メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
主にUV-Bの吸収効果に優れ、現在最も汎用されているUV-B吸収剤です。
日焼け止め製品や夏用のメイクアップ製品に広く使用されています。においに特徴があり、油溶性の粘り気のある液体です。 - オキシベンゾン-3
最大吸収波長がUV-AとUV-Bの二か所にあることから、UV-AとUV-Bの両方を吸収でき、高SPF値の製品に使われることが多いものです。
参考文献
- 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
- 『新化粧品学 第2版』 (著)理学博士 光井 武夫 南山堂 2001年
- 『米国およびEUにおける内分泌かく乱作用の規制動向』2018年6月 JFEテクノリサーチ2018.June.pdf (meti.go.jp)