素肌をすこやかに、化粧品をやめるためのWEBマガジン!
紫外線吸収剤2
肌と化粧品
紫外線吸収剤については、日本でもポジティブリストがあるように、お肌が敏感な方は特に注意すべき成分の一つです。
また、紫外線吸収剤は人体にはもちろん、環境にも大きく関係していることが分かってきています。
ポジティブリストについて
ポジティブリストとは、防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素についての規制を厚生労働省が定めたリストです。
日本で使用することができる紫外線吸収剤は、このポジティブリストに収載されている32種の成分のみで、配合条件が細かく定められています。
紫外線吸収剤の人体への危険性について
米国食品医薬品局(FDA)は2019年2月に既存の日焼け止め成分の安全性を再審査すると発表しました。
米国では、化粧品の日焼け止め成分として1999年に16成分が承認されています。
その中に、前回紹介した(関連記事:紫外線吸収剤1)、日本で使用される紫外線吸収剤の代表的な成分の、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルとオキシベンゾン-3も含まれています。
期限までに安全が確認できるデータをメーカーが提出しない場合、それらの成分の承認は取り消され販売禁止になる予定です。
これらの成分は皮膚に塗っても体内に吸収されないと思われていましたが、近年皮膚から吸収され血液中からも検出されたという研究が発表されています。
特にオキシベンゾン-3は皮膚からの吸収率が格段に高く注意が必要です。
男性15名、女性17名を対象に、オキシベンゾン-3を10%含む日焼け止めクリームを全身に1回塗って、血液中の濃度を調べたアメリカの調査では、塗布後3~4時間で血中濃度は最大となり、FDAが定める基準を500倍も超えていたそうです。
また、体内のホルモンの働きをかく乱して様々な有害影響を及ぼす「環境ホルモン」の疑いがあるという研究も増えています。
サンゴの白化に影響する
2008年イタリアの研究で、紫外線吸収剤のいくつかは、サンゴの白化の原因になっていると発表されました。Sunscreens Cause Coral Bleaching by Promoting Viral Infections (nih.gov)
また2018年にはハワイ州で、サンゴ礁への有害性が指摘される物質を含む日焼け止めの販売を禁止する法案が成立しています。米ハワイ州、サンゴに有害な日焼け止め禁止へ – BBCニュース
気を付けること
肌ルネが推奨している日焼け止めを塗布する基準は、日常生活において日中15分以上外出をする場合のみです。
日常生活ではなるべく、日傘や帽子などの物理的な遮光を心掛けること、またレジャーなどで海に入る場合などは日焼け止めの内容成分を今一度確認し、肌にも海にも優しいものを使用するようにしましょう。