SUPPIN MAGAZINE(すっぴんマガジン)素肌をすこやかに、化粧品をやめるためのWEBマガジン!

化粧品の定義と健やかな皮膚

化粧品の定義と健やかな皮膚

肌と化粧品

香粧品関係

薬事法で化粧品は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗布、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」と定義されています。

それでは、健やかな皮膚とはどんなものでしょうか。

皮膚には本来持っている機能がたくさんありますが、健やかな皮膚とは、それらの機能を十分に果たすことができ、なおかつ皮膚の痒みや痛みなどの不快な感覚がない状態だと考えます。

皮膚の一番大きな機能のひとつは、体内の水分が蒸散することを防ぎ、乾燥や紫外線、化学物質や細菌、ウイルスなどから体内を守る生体防御機能です。

この生体防御機能が適切に発揮できるためには大きく二つの条件があります。
ひとつは、角層が適切な水分(約20%)を保持していること。もうひとつは、角層のバリア機能が正常で、レンガとモルタル構造(理想の肌をつくる角質層の仕組み | 肌ルネ「すっぴんマガジン」 (s-bac.com))がきちんと保たれていることです。

香粧品学(化粧品やヘアケア製品などを研究する学問)では、この角層の水分を補うために使われるのが化粧水などの保湿化粧品と言われています。

しかし、以前もお伝えしたように化粧水と本来皮膚が保持している水分は全く別物です( 化粧品の水分と皮膚内部の水分の違い | 肌ルネ「すっぴんマガジン」 (s-bac.com) )。
そのため保湿化粧品をたくさん使用しても、その水分は蒸発していく一方です。

たくさんある保湿剤を選ぶ前に、まずは保湿剤を塗らなければ乾燥している肌の原因を考えることが先かもしれません。

先日当院のお薬をつくりに定期的にいらしてくださる薬剤師さんにうかがったお話ですが、その方は職場である大学病院の薬剤師さんたちのために「美容部」をつくっているそうです。
美容部をつくったきっかけは、化粧品の成分や効果、皮膚の機能を知っている薬剤師さんでも、数万円するスキンケア化粧品でしみやシワを改善しようとしている方々がいることを知り、自分で必要な成分を考えて購入してほしいと思ったからなのだそうです。

昔から当然必要だと思っていたものが実は不要だったというものはきっとたくさんあるのだと思います。
もともと私は化粧が煩わしいものではなかったですが、今はお化粧を使用していた時間が浮いたことと、たくさんの化粧品が並んでいたスペースが空いたことで、別の事に時間を使えたり、すっきりしたお部屋やお風呂場を見ると嬉しいです。
健やかな皮膚と自分なりの豊かな人生を育むために、これからも肌ルネで一緒に学んでいきましょう。