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ワセリンとは
肌と化粧品
肌ルネを実践するうえで、保湿剤として唯一オススメしているのがワセリンです。
保湿剤をワセリンだけに出来た方は改めてワセリンの目的や、様々な種類も考えてみましょう。
ワセリンとは
ワセリンとは、石油から結晶成分を取り出して精製して得られた、白色から微黄色の半固形状の物質です。分子の多きさが違う、多種類の飽和炭化水素が主な成分です。
肌や唇などを保護し、水分蒸発を防ぎます。
また、クリームや乳液の感触を調整するために使われるほか、医薬品では軟膏基材としても使用されています。
鉱物油が肌に悪影響を及ぼすという情報もありますが、これは鉱物油そのものが悪いわけではなく、鉱物油に含まれる様々な不純物が、光や空気、熱などで化学変化を起こすことで、肌に悪影響を及ぼすと言われています。
ワセリンの種類
純度の違いによって種類分けがあり、「黄色ワセリン」と「白色ワセリン」に分けられます。
さらに「白色ワセリン」を精製した「プロペト」や「サンホワイト」など他にも様々な名称で販売されています。
黄色ワセリン•••ワセリンの中でも一番純度が低く、不純物の含有量が多いものです。やや黄みがかった色をしています。「雑貨品」という区分で、手に入りやすく安価ですが、不純物も多いため肌の負担になる場合があります。商品によっては黄色の色素が入っている場合もあります。
白色ワセリン•••一般的に黄色ワセリンを活性炭または活性白土を用い、熱濾過して脱色したものです。黄色ワセリンほどはないですが、ごく微量の不純物が含まれています。「医療用医薬品」もしくは「化粧油」という区分で販売されています。
プロペト•••白色ワセリンを「カラム精製」という精製法により不純物を取り除いたものです。「プロペトホーム」と呼ばれる「第三類医薬品」と、「医薬品」の「プロペト」の2種類があります(内容は同じです)。ナフテン酸、高級固形脂肪酸、フェノール類などの刺激性要素をほとんど含有しないため、目の中に入っても安全で、眼科用軟膏基材として使用されることも多いです。
サンホワイト•••白色ワセリンを「水素化精製法」により精製したもので、過酸化物をほとんど含まず、抗酸化物のトコフェロールが配合されています。もっとも純度が高く、紫外線により変性せずまた酸化もしづらいのが特徴です。「化粧品」としてドラックストアなどで販売されています。
ワセリンの保湿効果の仕組み
保湿剤と聞くと、皮膚に浸透し、潤いを与える目的のものと思いがちですが、本来は、皮膚の水分蒸発を防ぐことを目的としています。
ワセリンは、肌に浸透する事なく、肌表面に油膜をはることで皮膚を保護し、内部からの水分蒸発を防いでくれます。
ワセリンを塗る目安と使用量
洗顔後、約1時間素肌のままで過ごしてみます。
時間とともに皮脂が出て乾燥を感じなくなった方はワセリンを塗る必要はありません。
1時間経ってもつっぱり感がある方は、ワセリンで皮膚の保護をする事で、外的刺激(紫外線や乾燥した空気、冬の冷たい風など)から皮膚を保護することができます。
全顔の場合、多くても乾燥小豆1個分を手に取り、両手のひらでよく伸ばし、カサつく部分に押しづけします。顔の上に直接のせて伸ばすと、肌を擦る刺激で炎症が起き、毛穴や赤みが悪化し、皮膚が引っ張られてシワやたるみの原因になることもありますので注意が必要です。
普段ワセリンが必要のない方でも、季節や体調によってカサつく場合もあるかもしれません。そのような時は乾燥を感じる部位にのみ、ワセリンを薄く塗布します。
また、ワセリンを塗りすぎてしまうと、剥がれるべき角質が肌に残存し、ターンオーバーを乱す原因となる他、アレルギー体質の方は熱がこもり痒みの原因になります。
肌がテカテカ、ベタベタになるまで使用する必要はありませんので、あくまでも少量ずつ塗布してみて下さい。
参考文献
- 日興リカ株式会社
- 『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』 (著)クリニック宇津木流院長 宇津木 龍一
- 『化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた』 (著)白金ビューティフルエイジングクリニック院長 山口 麻子