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湯シャンで気になる“におい”について

湯シャンで気になる“におい”について

診察室徒然日記

湯シャンについてのご質問で必ず聞かれるこの質問、「においは本当に大丈夫なのでしょうか?」。
皆様もこのようなことを思ったことはありませんか。

わたくし自身も理屈では脱シャンプーが良いと分かっていながら、シャンプーを完全に辞めるまでに数々の葛藤がありました。その葛藤のひとつがこの“におい”についてです。

当院院長が監修しました、『塩シャンプーで髪が増えた!』では、著者の渡辺新さんが当院へいらっしゃる前の印象をこう表現しています。

(略)ここで変な言い方になってしまうのですが、初めてクリニックにうかがう際には、どんなにおいがするんだろう?と思ってしまったことを告白します。
 通常、われわれの日常の暮らしは、香り・においに包まれています。快い香りも、当然、快くない香りもあります。しかしながら、いわゆる香水の香り、合成洗剤の香り、合成シャンプーの香りや芳香剤の香りは誰もが日常的に経験するものでしょう。
 そういうものをまったく使わない方々が集まっている場所ですから、大変に失礼ながら、もしかすると独特の香りがあるのではないかと思ってしまっていたのです。
塩シャンプーで髪が増えた! | 渡辺 新 |本 | 通販 | Amazon P.57~58より)

私が完全にシャンプーをやめた今思うことは、おそらく皮脂の“におい”については、感じるか・感じないかの問題なのだと思います。

天然の皮脂の“におい”は存在しますが、当院のスタッフやシャンプーを止めた患者様の頭皮からその“におい”を臭いと感じたことはありません。
もちろん頭皮に鼻を近づけていて嗅いでみると、確かに皮脂の“におい”がすることがありますが、私自身はそれに対して嫌悪感はありません。

現代生活では合成香料が溢れています。
洗剤はもちろん、石鹸、シャンプー、トイレットペーパーや生理用ナプキンにまでにも香料が使われているのです。
皮脂の“におい“を異物と感じてしまうのは、この合成香料に鼻が慣れてしまうことも原因のひとつなのかもしれません。

実際に、シャンプーを止めれば洗いすぎによる皮脂分泌が減りますので、“におい”の程度は和らぐはずです。
患者様の中には、シャンプーをやめてから日常で髪につく“におい“が減った。とおっしゃる方もいらっしゃいました。

またお肌と同じように、食事内容は皮脂分泌に大きく影響しますので、酸化した油や糖質を控えるなど、食べ物に気を付けることも重要です。

しかしながら、アポクリン腺の汗の“におい”も、フェロモンと言って好む方もいらっしゃいますし、愛おしいペットの“におい”ですと許せるものもあるのではないでしょうか。

このように、“におい”とはとても主観的なもののため、冒頭の質問に「においは大丈夫です!」とお答えしたところで納得していただけるかどうかは難しいのかもしれません。

ちなみに、先ほどご紹介した本の文章はこう続きます。

きれいなクリニックにお邪魔してみると、アロマが焚かれていることもありますが、これがまったく不自然な香りがしない。もちろん、不快な香りはまったくありません。

お世辞かもしれませんが、皆様にとってひとつの参考になりましたら幸いです。