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アーミッシュの戒律と肌断食
診察室徒然日記
今年の抗加齢学会で、アーミッシュについての特別講演がありました。
皆さまはアーミッシュをご存じですか。
アーミッシュ（英語: Amish、ドイツ語: Amische）は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州や中西部、カナダのオンタリオ州などに居住するドイツ系移民（ペンシルベニア・ダッチも含まれる）の宗教集団である。アメリカのキリスト教者共同体であり、 移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られる。原郷はスイス、アルザス、シュワーベンなど。2020年時点での推定人口は約35万人とされている。
（Wikipediaより引用）
アーミッシュには「オルドゥヌング」という厳しい戒律があります。
例えば、現在でも交通手段は馬車を用い自動車は使いません。電気も最小限の使用にとどめ、服装も決められており、男女ともに華美なものを着用してはいけません。
また、読書も聖書や一部の聖書に関係するもの以外を禁じられており、原則として快楽を感じることは禁じられています。そして、化粧もしてはいけないとされています。皆が同じ洋服を着て、皆がすっぴんなのです！
また死生観も独特で、アンチエイジングという概念もないそうです。
彼らの生活は戒律で守られながらも、シンプルで豊かだと考える現代人も多いのではないでしょうか。（個人的には毎日の洋服に悩まなくてもよいことはとても快適なのではないかと思いました。）
日々の診療で「あそこで○○と言われたけれども、ネットでは○○と言っているし、○○と言っている人もいるのだけど、一体どうしたらよいでしょうか？」というお悩みを多く伺います。
これだけ情報がたくさんある世の中ですから、そうなるのは当然だと思いますし、いっそのことアーミッシュのように情報を遮断し、厳しい戒律で「○○をしてはいけない」とされた方が楽なのではないかとも考えます。
しかし、たくさんの選択肢の中で自分が心地よくなるものを探し、それを追い求めていくことはわたしにとってはとても楽しいことだです。また、自分がどんなときに考えても嬉しく、わくわくするようなものは、たまに落ち込んだ時のお守りのようになるとも思います。
わたしにとってはそのひとつが素肌でいることなのですが、皆様もそれぞれあるのではないでしょうか。
そのため肌断食をしている方が何をしても、自分が心地よいのであればそれは良いのです。何かをしてしまったと後悔するストレスの方も心配です。
例えば油ものを食べすぎてしまった日の翌日は、お顔の皮脂分泌の変化や、毛穴の開きを観察する日にしるのもよいです。なんでも実験です。
私は最近、何かを始めるときに「うまくいったらいいな」と期待する分、「うまくいかなくてもいいか」といかに思えるかが大切だと思い始めました。
肌断食は戒律ではありません。アーミッシュの良いところと現代社会のよいところを自分なりにミックスして、心地よくいられるバランスを保っていきたいと思います。
肌ルネ管理人
