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~化粧をやめた時点ではまだ3合目でした~どんな時も前向きに!マロンアントワネットさんの場合

~化粧をやめた時点ではまだ3合目でした~どんな時も前向きに!マロンアントワネットさんの場合

肌ルネSTORY~実践者の声~

2016年から肌断食をはじめ、すっかりすっぴん美人だったマロンアントワネットさんは、2020年に悪性リンパ腫と診断され、抗がん剤治療をご経験なさいました。

腰までのとてもきれいなロングヘアーだった頃もあるマロンアントワネットさんですが、現在はウィッグをたまにお召しになる程度で、お洒落なスキンヘッドスタイルを楽しんでいらっしゃいます。
病気とその治療の副作用を受け入れ、ウィッグをしないという選択をするお気持ち、そして現在の心境を伺いました。

山口先生

やっと抗がん剤治療が終わりましたね。その後はいかがですか?

マロンアントワネットさん

はい。まだ体力も免疫力も完全に戻ってはいないのですが、ひとまず抗がん剤治療は終了です。
何より少し寂しいのは、これから徐々に髪の毛が生えてくることですね。

山口先生

どういうことですか?

マロンアントワネットさん

スキンヘッド、気に入っていたんですよ。
とても楽だし、友人たちにもお勧めするくらいでした。
とにかく楽なんです。
シャンプーもドライヤーもブローもいらない。時短です。
あと小顔効果も!
それにたぶんサバイバル能力が上がりました。このまま山籠もりもできると思います。

山口先生

なるほど!逆にデメリットはありますか?

マロンアントワネットさん

やっぱり寒いですね。
特に治療が冬だったので初めのうちは一日中、寝るときも帽子を被っていました。
でも今はだいぶ慣れたので家ではそのままでいます。
あとは、何か頭にぶつけた時にものすごく痛いです。
髪の毛が保護してくれていたことを実感しています。

山口先生

いつ頃から髪の毛が抜け始めたのですか?やっぱり分かっていてもすぐには受け入れられなかったのでしょうか?

マロンアントワネットさん

抗がん剤治療を始めて1ヵ月後くらいから、毎朝枕に髪の毛が落ちているのが気になり始めました。まだ周りの人にはわからないくらいでしたが、やはり毎朝起きるたびに落ち込みました。抜け落ちる方が辛かったので、割と早い段階で、家族にバリカンで整えてもらい、今もシェーバーで数日おきに剃っています。慣れてしまえば快適です。

山口先生

ウィッグはオーダーしたのですか?

マロンアントワネットさん

結局合計5つ購入しました。
今は家ではもちろんつけていませんし、ウィッグを被らず外出したいと思っています。ただ、娘からは行事などでは目立つからやめてと言われるのと、やっぱり周りが気を遣う感じがしますね。

山口先生

と、いうと?

マロンアントワネットさん

女性のスキンヘッドは大体の方が病気と察してか、核心に触れてこないんです。
第一印象はバッチリですが(笑)、何とも言えない居心地の悪さを感じてしまいます。
ウィッグは自分のためというより、周りに気を遣わせないために着用しています。

山口先生

なるほど。人のためにしている、お化粧のようなものですね!

マロンアントワネットさん

そうなんです。
わたしの場合、お化粧もですが隠したいという気持ちが強かったように思います。
ウィッグも脱毛前に購入しましたが、隠すことが当たり前だと思っていました。
でも、化粧含め、身だしなみは人のためにしているんだと気が付いたんです。
ガン患者は、今や2人に1人と言われているのに、私は外でスキンヘッドの女性を見かけたことがありません。スキンヘッドはやはりハードルが高いですかね。
わたしとしては、スキンヘッドもお洒落のひとつとして受け入れられる世の中になってほしいんです。
もっと自分のためのスタイルを追求できたら楽しいと思います。

山口先生

素晴らしいです!究極の肌ルネですね!
既に5年程前からお化粧をほとんどやめていらっしゃったマロンアントワネットさんですが、現在の状態を富士山の山頂とするならば、振り返ってみて、お化粧をやめた時点は何合目くらいだと思われますか?

マロンアントワネットさん

3合目くらいですね。
その時点では本当にこだわりがたくさんありました!
今はもっと手放せることがたくさんあると思えます。

山口先生

3合目ですか!!わたしたちもまだまだこれからですね。

マロンアントワネットさん

たぶん無意識にこだわっていたことがたくさんあったんですよね。
「女性は髪が命」みたいなフレーズも、いつの間にか刷り込まれていて、女性のハゲはありえないと思い込んでいました。だから今は“おしゃれハゲスタイル”を提案していきたいです!(笑)

山口先生

本当に素敵です!確かに、お化粧品もそうですが、無意識に当たり前と思っているようなこだわりは、世の中にたくさんありますよね。

マロンアントワネットさん

こだわりの取捨選択は自由だと思うんです。
何もみんながスキンヘッドになって山籠もりしようと言っているわけではない。
都会(この社会)で暮らしていく中でのあり方、選択肢としてもっとスキンヘッドスタイルのようなものが受け入れられ、今までの常識に振り回されないといいなと思います。
これからは、選択肢のひとつとしてスキンヘッドがあってもいいのではないかという事を女性に伝えたいです。

山口先生

是非伝えて頂きたいです!そういえば今はもちろん湯シャンですよね?

マロンアントワネットさん

はい!図らずも湯シャンにも成功しました。とても快適です。

山口先生

これからは髪の毛が伸びていく過程も楽しめますね。ベリーショートも似合いそうです!

マロンアントワネットさん

ありがとうございます。少し前までベリーショートにしてみたかったので、それも楽しみだし、これからはもっとジェンダーレスで自由な髪形にもチャレンジできそうです。
ただ、その前にこのスタイルを生かしたコスプレ写真を何枚か撮っておきたいですね。まずは一休さんとか。あと亀仙人とか、クリリンとか、ピッコロとか...主にドラゴンボールの脇役ですね(笑)。

山口先生

最高です!是非写真集にして下さい!
今回は素晴らしいお話をどうも有難うございました。

近年「バズカット」と呼ばれる女性たちの坊主スタイルは、新型コロナウイルスの影響もあり「ロックダウンバズカット」という言葉ができるほど、注目が集まっています。

もちろんTPOは大切ですが、日常の様々な選択肢において「人のため」よりも「自分がどうしたいか」について、もっと考えることができるのかもしれません。

病気になって髪の毛が抜ける。ではウィッグをつくりましょうとなる前に、ウィッグをするという選択肢も、スキンヘッドを楽しむという選択肢もある事が当たり前の世の中になること。
自分が快適と感じる自由なスタイルを楽しめて、それらを受け入れる社会体制が整うことで、自分の意志ではどうにもできない選択を強いられる方の気持ちにもっと自然に寄り添えるようになるかもしれません。

究極の肌ルネを実践中のマロンアントワネットさん、これからも明るく素敵な感性を生かし、富士山の次はマッターホルン登頂へ向けて、ますますご自身の人生を切り開いていくことでしょう。