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蛍光増白剤について

蛍光増白剤について

肌と環境因子

肌と洗剤

洗濯洗剤売り場では、「蛍光増白剤不使用」や「蛍光剤無添加」などという文言が書かれていることを目にすることがあります。蛍光増白剤とはどういったものなのでしょうか。

蛍光増白剤(蛍光剤)とは

蛍光増白剤は染料の一種で蛍光剤と呼ばれることもあります。汚れを落とすものではなく、白く仕上げるための添加物として配合されています。

染料という言葉を聞くと、白く染め上げるイメージを持ちますが、蛍光増白剤は対象のものをコーティングすることで太陽光線の中の目に見えない短波長の紫外線を選択的に吸収し、これを目に見える紫~青色の光に変えて発光させ、見た目の白さを増す能力を持つものです。

ほとんどの白物衣類は白さを際立たせるために製造過程で蛍光増白剤を使用しています。
Yシャツなどがブラックライトで光るのはそのためです。
しかし、洗濯しているうちに蛍光増白剤は少しずつ落ちてしまうため、白さを保つために蛍光増白剤入りの洗剤が使われます。また、青白い光は黄色を打ち消す働きを持つため、衣類の黄ばみなどが目立たなくなる効果もあります。

蛍光増白剤の使用規制

蛍光増白剤は衣類に付着することでその効果を発揮する添加物のため、使用した衣類を着ることで肌に直接接触します。
そのため日本において、蛍光増白剤は以下のように様々な法律で使用を禁止されています。
薬事法では、赤ちゃんの紙おむつや生理用品、トイレットペーパーなどに禁止。
食品衛生法では、食品、包装材料、台所用ふきん、食器、紙コップ、紙ナプキン、ケーキの敷き紙などに禁止。
日本薬局方では、ガーゼ、包帯、脱脂綿、マスクなどに禁止。
JIS規格では、ノート、便箋、封筒などに禁止。

例えば、蛍光剤を使用したタオル・ふきんで、包丁やまな板、食器を拭くことは、食品衛生法で禁止されています。

蛍光増白剤との付き合い方

このように現在使用されているものは問題がないとは言われていますが、使用量や使用する人によって皮膚刺激やアレルギー反応を起こすことも十分に考えられます。
皮膚が敏感な方は、肌に触れるものをなるべく蛍光増白剤を使用していない天然素材のものを使用するほかに、ご自宅の洗濯洗剤の裏面もチェックしてみてください。

また、環境への影響についても蛍光増白剤の原料であるスチルベンに環境ホルモンとしての作用があると考えられており、まだ十分に解明されていない部分が多いとされています。生分解性についても、条件によっては残留して蓄積することもあると考えられ、実際に河川や海、地下水などからも検出されているそうです。

そのため必要最低限の使用にすることで、肌にも環境にもやさしい洗濯ができると言えるでしょう。

参考文献