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春の肌荒れから考える環境問題―黄砂②

春の肌荒れから考える環境問題―黄砂②

肌と環境因子

肌と土壌

黄砂は前回の内容(https://www.s-bac.com/hadarune/magazine/healthy/1610/)でお伝えしたように、ただの砂でありません。
黄砂の大きさは0.5~5㎛で、スギ花粉のおよそ10分の1です。
偏西風によって舞い上がった黄砂のうち、大きめの粒子(10㎛以上)は重力によってすぐに落下しますが、小さい粒子は上空で浮遊し続けます。2~3日で数1,000kmも移動し、日本はもちろん、北アメリカ大陸やグリーンランドにまで到達することもあります。
そんな黄砂はどうして肌へ影響を与えるのでしょうか。

黄砂の成分

黄砂は主に、石英、長石、雲母、緑泥石、カオリナイト、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウムなどから構成されており、さらに浮遊する過程で空気中のさまざまな粒子を吸着します。
北京などの中国の主要都市や韓国、日本などの工業地帯を通過した黄砂は、硫化酸化物や窒素酸化物を吸着していきます。
また、北京では大気汚染物質であるカーボンが多く検出され、台湾ではダイオキシン類の濃度も黄砂が飛来する時期には通常より35%増加する研究結果もあるそうです。
さらに、韓国の調査では、細菌の濃度が通常大気の7~22倍、カビの濃度が15~26倍となったという報告がされています。

肌への影響

このように、飛来するまでに化学物質やほこり、カビなどが付着した黄砂が、人の皮膚に直接触れ、さらに体内に入り込むことで炎症を引き起こし、肌の赤みや痒みなどのアレルギー症状を誘発する原因となります。
さらにスギやヒノキの花粉が飛散する時期と重なっているため、もともとアレルギー因子を持っている方は小さな刺激でも炎症が起こりやすい時期です。
炎症が起こっているときには、普段以上に最低限のスキンケアにとどめましょう。
摩擦を避け、皮脂を落としすぎず、少しでも肌のバリア機能を守り、健康な肌を維持したいものです。