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代表的な常在菌①
肌と環境因子
私たちの皮膚にはたくさんの常在菌が存在します。
皮膚に常在する菌は、腸内の次に多く、通常ひとりの皮膚には数百億から1兆もの菌が存在し、顔だけでも80万もの常在菌がいると言われています。
これらすべてがバランスを保って共存し、肌を健康に保っているのです。
その中でもよく耳にするものが、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、アクネ桿菌です。
では、それぞれどのような役割があるのでしょうか。
表皮ブドウ球菌
表皮ブドウ球菌は空気を好み、皮膚表面や毛穴に存在し、汗や皮脂を餌にしている常在菌のひとつです。
皮脂分解酵素であるリパーゼで皮脂を分解し、脂肪酸やグリセリンを作り出します。
脂肪酸は肌を弱酸性に保ち、弱アルカリ性の状態を好む黄色ブドウ球菌の増殖を防ぎ、グリセリンは皮膚のバリア機能を保つ役割を担っています。
また、皮脂、汗、ブドウ球菌が分解した成分が混じりあって、天然保湿因子をつくり出し、皮膚蒸散を防ぎ、表皮のうるおいを保ちます。
このように、他の病原菌から表皮を守り、保湿する働きがあり、善玉菌の代表とされています。
ただ、皮膚表面で活動している細菌のため、手術などの際にカテーテルなどの医療用器具に付着して体内へ侵入してしまった場合には、感染症の原因となる場合もあります。
アクネ桿菌
アクネ桿菌は酸素のある環境ではほとんど増殖できず、死滅してしまいます。
そのため酸素を嫌い、毛穴や皮脂腺に存在し、皮脂を餌にしている常在菌です。
表皮ブドウ球菌と同じく脂肪酸などの酸性成分を作り出すことで皮膚を弱酸性に保ち、皮膚に付着する病原菌の増殖を抑える働きを担っています。
よくニキビの原因となる悪い菌と思われがちですが、増殖しなければニキビの原因にはなりません。
しかし、皮脂の分泌量が増えたり、何らかの影響で毛穴がふさがったりすることで、アクネ桿菌が過剰増殖し、炎症を引き起こしニキビになる日和見菌です。
次回は黄色ブドウ球菌などの悪玉菌についてお伝えいたします。