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シミについて

シミについて

妊婦と子供のスキンケア

妊娠期

シミは皮膚局所のメラニン色素が周囲皮膚と比べて増加している状態です。メラニン色素は紫外線から肌を守るためにメラノサイトという色素細胞が産生しています。
メラニン色素が蓄積した皮膚局所を“シミ”といいます。
妊娠中は、ホルモンの作用でメラニンが増産・沈着しやすくなりシミや色素沈着が目立つようになります。

妊娠中に増えやすいシミの種類

老人性色素斑

30〜40代以降にでる、表皮細胞の老化に伴う色素増加 大きさはざまざまで淡〜濃褐色

雀卵斑(ソバカス)

若年時から両頬〜鼻などの顔面中心部に5ミリ以下で多数出る、淡褐色のもの。遺伝的な色素細胞の異常、光線過敏

肝斑

成人〜閉経期に両頬、鼻、全額、人中、あごなど 左右対称に拡大 淡〜濃褐色 境界明瞭 不整形 色素細胞の異常 紫外線や刺激により増悪

色素沈着

大きさ、形状、色調はさまざま 淡〜濃褐色

妊娠をきっかけに出やすい肝斑のケア

肝斑は、ホルモンバランスの影響を受けるシミです。そのため、妊娠をすると目立つようになり、分娩後2〜3ヶ月後に自然に薄くなると言われています。基本の治療方法は、遮光、擦らないスキンケア、内服薬、外用剤です。妊娠中は、内服・外用剤の使用は控えていただく必要がありますが、それ以外に妊娠中からできるケアをご紹介します。

肝斑は刺激で悪化するため、基礎化粧品やメイクを塗り重ねる刺激を控えることが大切です。
化粧水も乳液もクリーム類も基本は同じ水分+油分からできています。塗り重ねることで、界面活性剤や防腐剤などのお肌を痛めてしまう成分も重ねて塗っていることになります。塗るものは最小限にすることで、お肌への刺激を減らすことができます。

日焼け止めも同様で、紫外線の影響も15分以内の外出なら物理的遮光(日傘、帽子等)で十分です。15分を超える外出時のみお湯や石鹸で落ちる日焼け止めの使用をおすすめします。日焼け止めにも、界面活性剤や防腐剤の他、汗をかいても落ちないよう肌に残りやすい成分など多くの添加物が配合されています。そのため、塗る回数を減らすことでお肌は健やかに保てます。 
妊娠後期や産後は、家で過ごす時間も長くなります。塗る必要性も減るので、よりお手入れをシンプルにできるチャンスです。シンプルに擦らないケアが肝斑を悪化させないケアです。

体にできる色素沈着について

妊娠中は、体の色素沈着がホルモンバランスにより目立ってきます。色素沈着の起きやすい部位は、脇の下、乳輪、正中線(おへそを中心に真っ直ぐに浮き上がる線)、脚の付け根、外陰部などです。分娩後は、完全には消えないものの、数ヶ月かけて自然に薄くなります。色素沈着は原因となる摩擦や傷や炎症をできないようにすること、また、出来てしまったら最小限にとどめる工夫が必要です。衣服や下着の素材を綿や絹に変えて摩擦による刺激を減らすこと、肌の乾燥は摩擦の刺激を受けやすいためワセリンで保湿を心がけることも大切です。

参考文献

  • 『美容皮膚科ガイドブック第2版』 川田 暁
  • 『化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた』 (著)白金ビューティフルエイジングクリニック院長 山口 麻子