私が東京白金の地でクリニックを開院してから、もうすぐ20年の月日が過ぎようとしています。
開院当初、治療のコンセプトとして掲げた「ファンデーションに頼らない素肌作り」は、今も変わらず大切な指針であるばかりか、最近では開院当初以上にこの言葉の重みを感じています。

そもそも私がなぜ素肌をキレイにする治療にこだわるのかといえば、私がまだ駆け出しの医師だった2000年当時、所属していた「北里研究所病院美容医学センター」での臨床経験がきっかけです。

例えば、患者様の肌を肉眼とマイクロスコープで丁寧に診察しつづけていると、ほんの少しの肌の変化でも気づくようになりました。
「あれ？今日はいつもよりも肌荒れしているな」
と感じたとき、患者様に日常生活について質問すると、決まってストレスや疲労がたまっている場合、もしくはスキンケアを変えた場合が多かったのです。
衝撃的だったのは、手術で顔の造作を整えても肌の健康状態がよくないとキレイには見えないことでした。
美容医学センターにくる患者様は美意識も高いので、多忙な毎日の中でもスキンケアを丁寧に行っている人ばかり。でも、その人たちをマイクロスコープで観察すると大半に肌荒れが見られたのです。

これって、不思議に思いませんか？

以上のような理由から、私は開院当初から「素肌の健康」が美容医療において最重要と考えました。
開院後、これまで延べ3万人以上の患者様の素肌を実際にこの目で診察した結果、その考えは正しかったと確信しています。

むしろ、玉石混交の美容医療が乱立し価値観が多様化する現代こそ、最もシンプルな美顔法ともいえる「素肌をキレイに保つこと」の重要性は増しているのではないでしょうか。

素肌が健康を取り戻し、肌状態が整うと、第一に気持ちが明るくなります。気分が良くなると表情も明るくなり、お顔全体がパッと華やかな印象になります。その効果は、どんなに高級な化粧品や美顔器よりも絶大で、まさに「素肌の健康を制するものが、美しさを制する」といっても過言ではないでしょう。