肌診断で使用する「マイクロスコープ」
皮膚表面を詳しく見るための拡大鏡です。
美容皮膚科には必須の商売道具です。
パソコンにつないで、大きな画面で見ることができます。
勤務医の頃使用していたマイクロスコープは、超高性能で、キメだけでなくメラニンや毛細血管の状態もクリアに診ることができました。
開業した時も同じものを使いたかったのですが、すでに生産されていないとのことで、仕方なく量産のものを使用することに
残念ながら、このマイクロスコープは画質があまり良くなく、特にメラニン色素の深さや分布があまりよく見えません。仕方ないので、ダーモスコピーという皮膚科医が視診で使う拡大鏡を併用して観察していたのですが、皮膚に近づけて覗いて見るものなので、画面に大きく拡大できるものではありませんでした。
ずっと物足りなさを感じながら早14年。
新しいPCに変えたら、このマイクロスコープ画像がもっと酷いことに
堪忍袋の緒が切れて、知人に新しいマイクロスコープを探してもらったところ、ようやく素晴らしいものに出会うことができました 願えば叶う
キメも毛穴も角質の状態も、メラニンも毛細血管もクリアに良く見えるのです
見ていて楽しいから、ついついたくさん診察してしまいます。
皮膚の状態はいつも安定していません。
キメが乱れたり、角質が薄くなったり、毛穴の詰まりが目立ったり。
あれ、いつもより乾燥しているな?と思い、患者さんに質問してみると、
「夏は汗をかくから、石鹸で洗う回数が増えました。」と答えます。
石鹸で洗い過ぎると皮膚はどんどん乾燥してしまうので、
「汗は水洗いだけで十分落ちますよ。」とお伝えすることができます。
マイクロスコープからは、皮膚状態についてたくさんの気付きを得ることができます。
そして、もう一つ大切な診察道具は、「医者の指先」です。
延べ何万人もの皮膚を触っていますから、指先の感覚から得られる情報はかなり敏感だと自負しております
人間の指先の感覚って凄いですよ。
ミクロの違いも感じます。
触診、視診の他には、とにかく話をよく聞くこと。
そして、診察全体を通して感じること。
きちんと診察して美容医療を行えば、決して悪い方向には行かないと、勤務医の頃教わりました。
自分で診察して、治療を選択すること。
当たり前のことですが、診察の大切さを今さらながら実感しています。