大河ドラマ「青天を衝け」をご覧になっていますか?
江戸幕末から明治にかけて活躍した、実業家・渋沢栄一のお話です。
この時代は激動の時代で、登場人物も素晴らしく、ワクワクしちゃいます。
渋沢は農民(豪農!)出身ですが、幼少期から四書五経を学び、商才に長けた賢い人でした。
混乱する幕末期には、尊王攘夷派として血気盛んな若者でしたが、縁あって一橋慶喜の家臣となります。(尊王攘夷から幕府側へ??)
フランス皇帝ナポレオン三世より1867年パリ万博に招待され、慶喜の弟・徳川明武と共に、ヨーロッパに1年ほど西欧の最先端を学びに行きました。(この時代に外国へ行くなんて、相当のエリートですよね。)
明治維新により帰国後、大蔵省に入り、新しい日本の国づくりに活躍。
5年ほど勤めた後、大蔵省を辞め、実業界へと踏み出します。
欧米列強と競い合い、国を豊にしていくためには、正しく利益を出す経済活動をすべきだという理念がありました。
私利私欲ではなく、国全体を豊にするために一生を捧げた渋沢栄一は、銀行や保険会社、電気・ガス会社、ホテル、鉄道会社など約480社もの設立に関わりました。
まさに、実業界の父と呼ばれるにふさわしい活躍を続けていきました。
彼の著書である「論語と算盤(現代語訳)」には、今まさに私たちのあるべき姿の見本となることが、とても分かりやすく書かれています。
渋沢の行動規範は、孔子の「論語」です。儒教の教えですね。
私が研修医の時に出会った先輩医師は、日頃の臨床医療現場において、孔子など古典の教えを散りばめて教えて下さいました。
恥ずかしながら、20代半ばであまり中国古典など触れたことがなかったものですから、全てが新鮮で知識欲が湧きたちました。先輩医師に馬鹿にされないよう、言われたことを書き留めて、後で復習していたほどです。
◎小人閑居して不善をなす(暇な医者はろくなことをしない)
◎学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば即ち殆し(学びも実践も大切だよ)
◎巧言令色鮮し仁(調子のよいことを言う人には気を付けなさい)
◎君子の交わりは淡きこと水の如し。小人の交わりは甘きこと醴の如し(さらりとした付き合いが大切だよ)
◎天網恢恢疎にして漏らさず(天は悪い行いを見逃さない)
江戸時代の武士や上流の百姓町人は、皆中国古典の教育を受けていました。
その目的は「心を磨くこと」
心を磨けば、自ずと自分を磨くようになり、家族をまとめ、国をまとめ、天下を安定させることにつながります。
心の教育・・・
私は子供を産んだ頃、幼少期に漢詩を「素読」させると前頭葉の回路が発達して、生きる力が身につくということを知りました。カレンダ―の裏にマジックペンで大きな文字で漢詩を書き、寝る前に娘と音読したことがあります。意味は全く分からなくても良いそうです。3歳の頃には、般若心経も丸暗記しました。小学生の頃には、平家物語や竹取物語など日本の古典も諳んじていました。そのせいか分かりませんが、20歳になる娘はとても優しい心のあるバランスの取れた人間に成長したと、親として非常に嬉しく思っています。自慢ぽくてスミマセン
原点回帰すべきは古典ではなかろうか?
「論語と算盤」には、人間としてあるべき姿を的確に書かれています。
この点は、当院の経営理念にも取り入れられる内容だと思いました。
「自分磨き」と聞いて、何を思い浮かべますか?
エステ、ネイルサロン、美容医療・・・といった、外見を取り繕うことを「自分磨き」と取り違えているようでは、日本はお先真っ暗です。
心を磨き、人格を高めるためのサポートとしての美容医療でありたいと思います。