院長ブログ

弱者に接する態度

オリンピックが開幕されました。

開会式をご覧になりましたか?

聖火台に火がともるまで見届けようと、テレビをつけていたらシンデレラの魔法が溶ける時間になってしまいました

いろいろな“いわくつきオリンピック開会式”でしたが、皆さんどのような感想を持たれましたか。

「地味だった」との報道がありましたが、私には「派手だった」と映りました。

ネオン輝く大都会東京の夜空に、花火がクルクル上がったり、色鮮やかなプロジェクションマッピング。

こういう演出は、もう心に響かなくなりました。

もっとも国際イベントなので、世界の隅々までこの映像が届いていると考えれば、ネオンとは無関係な地域に暮らす人々に対して科学技術を発信するまたとない機会だったのでしょう。

夜空に浮かぶ地球儀は、米半導体大手インテルが手掛けたドローンショー。

聖火台は、環境負荷が小さい水素で灯したとか。

地球環境への配慮や再生可能エネルギーということを盾にして、結局新しいテクノロジーへ投資して、様々な“モノ”を作り続けています。

消費を煽っているように思えてなりません。

 

コロナ禍で、我々の生活は一変しました。

制限のある生活に辟易して、「元の暮らしに戻りたい」という意見を耳にしますが、私は元の暮らしに戻ってはダメだと思っています。

元の暮らしに戻り、再び欲望の資本主義に飲み込まれたら、地球は破壊の一途を辿ることは目に見えています。

国連によると、2020年は7億2千万~8億1100万人が飢餓に苦しみ、前年比で約1億6000万人増えたそうです。

日本は捨てるほど食料ロスが問題となっているのに、その裏で沢山の人の健康が犠牲になっていることを忘れてはなりません。

 

武漢在住の作家、方方(ファンファン)さんが、

封鎖された2か月間、毎日日記を書いてインターネットで公開して話題になっていたそうです。

その中で、私の心に突き刺さる言葉がありました。

『文明国家の基準は弱者に接する態度である』

昨年、ちょっとしんどい出来事があった時、周囲の人々の思いがけない励ましや言葉に救われたことを思い出しました。

名誉、地位、お金、モノ・・・

そんなものとは比べ物にならないくらい、感謝と救われた気持ちになりました。

人の優しさがこんなに心を打つもので、尊いものであるということが身に沁みました。

元気な時は強気ですから、つい忘れがちになってしまう弱者への優しさ。

物質的に満たされた我々が、次に目指すべき真の豊かさとは、他者への思いやりという心の豊かさを当たり前のように持てる社会だと思います。

私自身、まだまだ優しさが足りません・・・

頑張ります・・・