勤務医だった若かりし頃、医師という職業柄か、私は年上の人から色々な恩恵にあずかっていたことを思い出します。
研修医の給料は激安でしたし、若さ故の図々しさと言いましょうか、喜んで頂戴していました。
モノだけではなく、食事にご一緒したり(やましいことはありませぬぞ主に女性です)、自宅にお招き下さった方もいました。
困ったときに手を差し伸べて下さる優しい方も
また、物事の考え方とか暮らしの工夫など、生きる上での知恵も授かりました。
人生の先輩方に、たくさんのご恩を受けたことを深く自覚し、感謝の念に堪えません
月日は流れ、いよいよ中高年になった自分が、若い人たちの役に立てるようなことをしたいなぁ、と思えるようになりました
近年いろいろな人のお世話になる(サービスを受ける)ことが多く、20~30代の若いしっかりとした、感じの良い青年と出会う機会が続いています。
「こんなに気の利く若者たちがいるのなら、日本も捨てたもんじゃない」と思うわけです。
不動産屋さん、お掃除サービス、仕事絡みの営業担当、弁護士、医師、整体師、タクシードライバー、駐車場バレーサービスなどなど。
熱心な働きぶりとコミュニケーション力の高さに感心すると共に、純粋に“プラスαのお礼”をしたくなるものです。
欧米でのチップのようなものでしょうか。
※手前味噌ですが、当院のスタッフも愛情溢れる思いやりのある接客をしてくれます
自分が応援したい人に「ありがとう」の気持ちを込めてお金を使えることは、幸福度が増す行為だと思います。
老後のための生活費を貯蓄したり運用することばかりがメディアでフォーカスされていますが、それはちょっと違うかな?と思っていつも聞き流しています。老後2000万円問題とか言って煽っていますよね。
ただ貯金を殖やしても、インフレが来ればお金の価値など下がってしまいます。
若い時には、自分のスキルアップのために自己投資するほうが、よほどリターンが大きくなると思うのですが。
大切なのは「使い方」であり、貯めることではありません。
応援したい会社への株式投資はまだ理解できますが、自分のお金が何に使われているか分からないような金融商品にお金をつぎ込むのは、いいお金の使い方とは思えません。
募金は本当に困っている人のところに届く前に、運営事務局がかなり搾取しているという話も聞きます。
私は、直接ご縁のある人たちに、応援目的でお金を使うように心がけています。
何か物を買うときは、極力国産のものを買うようにしています。生産者が見えるようなものがいいですね。
お金の集め方・使い方の話は、日本では敬遠されがちですが、私はとても大切なことだと認識しています。
お金は人を自由にさせてくれますし、チャンスも増えます。
経済的自立こそ、自己肯定感を高める大切な要素です。
そして、人のために使える喜びを噛み締めた時、大人になったな、と感じるのではないでしょうか。
私の周りには、被災地や病院に多額の寄付をしたり、ボランティアに参加したり、チャリティーパーティーに参加したり、芸術家のパトロンになるなど、ダイナミックな行動をする人生の先輩方がまだまだいらっしゃいます。
人間関係は財産です。
良い刺激を与えて下さった善い先輩方を見習って、少しずつ恩返しをしていこうと思います!