2年毎に区の婦人科健診を受けています。
有難いことに、私は婦人科疾患から無縁でございますっ
特に出産後はさらに健康になりました。
子宮筋腫も内膜症も月経困難症もなく、超音波検査では「子宮も卵巣もキレイですね」と褒められます
そんな私も人生の秋を迎えまして、いよいよ枯れ行く裸体に時の残酷さを感じずにはいられません。
先日、熱海のMOA美術館で、葛飾北斎の富嶽三六景と歌川広重の東海道五十三次を鑑賞しましたが、浮世絵に出てくるコミカルな庶民派おじさんと自分自身が重なり、もののあわれなりけり
婦人科で頂いた更年期小冊子に、とても印象深い一節がありましたのでご紹介しましょう。
一本の樹を思い浮かべて下さい。
花盛りの春から、緑濃い夏を過ぎて、いまは紅葉の秋。
これから美しい白銀の冬がやってきます。
・・・・・
女性の一生を樹木に例えていますが、
「これから美しい白銀の冬」
とは、何て甘美な響きなのでしょうか!
50代は紅葉の秋。
枯れ行く落ち葉が“抜け毛”のようで、もの悲しく感じますが、60代からは白銀の冬が待っているなんて
全ての音は雪に吸収され、静寂の中にも美しさを解き放つ銀世界。
人生の秋冬コレクションはどんなテイストにしましょうか?
更年期といえばホルモン補充療法。
女性ホルモンが減少すると、ほてり・ホットフラッシュ・めまい・イライラ・疲労感・無気力など様々な更年期症状が現れます。
美容的には、皮膚の水分量低下、コラーゲンが減少してシワが増えるなど、見た目の老化も加速します。髪も細く薄くなります
仕事柄、ホルモン補充療法についてよく質問されますが、
私の考えは、更年期症状が辛ければ、それを和らげる目的で使用すれば良いと思っています。
マイナスのQOLを底上げできますからね。
長期のホルモン治療は乳がんのリスクが高くなることもあるようです。医療を受ける際は、リスクとベネフィットを天秤にかけて判断するようにしたいものです。
通常は3~5年程度で、更年期症状が治まれば治療を終えるようですが、中には死ぬまで若々しさを求めて続けることもあると、婦人科の先生はおっしゃっていました
私は更年期症状で悩むことはほぼゼロですので、今のところはホルモン補充療法を受けておりません。
特に困っていることもないけれど、美容目的でやりたいというのであれば、まずは食生活や運動など生活習慣の改善を心掛け、プラセンタやサプリなど活用し、レーザーやボトックス・ヒアルロン酸注入で肌の若返りを計ればよいのではないでしょうか。そして何より効果的なのは、愛すべき対象へ十二分の愛情を注ぎ、幸せホルモンで心を満たすことでしょう!最近患者さんを診ていて思うことは、ペットやお孫さんはもちろんのこと、“推し”を見つけて応援活動することも、かなり心の安定に繋がっているような気がします。“推し”の話をする時は目の輝きが違いますし、良い感じに表情筋が緩み、口角は挙上して、とてもチャーミングな微笑みを見せてくれます。
自分なりの素敵な「白銀の冬」を考えながら、穏やかに紅葉の秋を過ごしたいものです。