医師として診療を続けていれば、患者さんと長いお付き合いになることがあります。
高血圧や糖尿病のような慢性疾患を診ていれば当然ですが、
私のような美容医療に携わる者でもそうなります。
私は2000年から美容医療の門を叩き、翌年2001年から外来診療を担当するようになりました。
よって20年以上、私の治療を受け続けて下さる方たちがいます。
30代だった人は50代に。
40代だった人は60代に。
50代だった人は70代に。
60代だった人は80代に。
・・・長い間通って下さり、本当に有難いです 同時に、患者さんのお顔に対する責任感も半端じゃないです。ずっとキレイで幸せなマダムでいて欲しいですからね。
60代以上の美容医療はとても難しいと感じています。
更年期を過ぎると、皮膚のたるみが顕著になりますから、「そこそこ」を目指さないと無理なお顔になりかねません。
レーザーのお手入れは問題ないのですが、ヒアルロン酸やボトックスを頑張り過ぎると、いわゆる「いじった顔」になってしまいます。40代の頃からお手入れしていれば問題ありませんが、60代からヒアルロン酸、ボトックスデビューとなると、若作りにも限界があるなぁと感じている今日この頃。
もちろん外科的な治療に踏み切って、在り得ないピンピンしたお顔を目指すという選択もありますが、私のクリニックではそこは目指していません。
年代ごとの“美しさ”と“着地点”を明確に描いて治療を進めないと、美容医療を受けたものの満足した結果が得られないということになるでしょう。
では、“美しさ”や“カッコよさ”って、どうやって身に付けるかというと、それは美容医療任せでは到底成し得ることのできない生き様ではないでしょうか。
以下、私の恩師である宇津木先生のお言葉を引用させていただきます。
「飾らない美しさ」が究極の人間の美であり魅力だと思います。「飾らない美しさ」こそ、その人のありのままで、自然体の美や魅了が表現されています。他人には真似できない自分だけの美です。生来の自分を自力で磨き上げた自分なりの美であり魅力です。それに満ち足りて、感謝して生きる姿に、人は、品位、潔さ、心地よさを感じるのだと思います。
私の感じていることが200%の表現になって、震えるほど共感しました。
特に、ここです!
それに満ち足りて、感謝して生きる姿に、人は、品位、潔さ、心地よさを感じるのだと思います。
現状に満ち足りて、周囲の人たちへの感謝の気持ちを忘れないこと。それが自然と身についている人が美しいのでしょうね。
美容医療は皆さまの人生に、ちょっとだけ花を添えるような役割だと思っています。
「あら、今日のお肌、すべすべだわ」
「肌色が明るくなった!」
「なんだかハリが出た感じ」
ちょっとした変化に喜びを感じていただけることの積み重ねが“着地点”だと思っています。
美容医療に過剰な期待をしている(と私が感じた場合)方には、私は治療を行いません。
それは、“着地点”がずれているので、お互い幸せになれないからです。
当院の診療では、この“着地点”についての対話を大切にしていますので、皆さまもご自分の目指している“美しさ”を私たちスタッフにお話しくださいね。