皆様の職場には「身だしなみ規定」ございますか?
当院にはゆるやかな規定がありましたが、この際、もっと細部までこだわろうと思い、一部改訂いたしました。
当院は「素肌」が売りですので、ファンデーションは当然禁止です。色のついた下地もNG
ポイントメークは禁止ではありません。以前は付けまつ毛やアイメークをしていたスタッフもおりましたが、最近はポイントメークをする人もいなくなりました。
髪型は清潔感第一。前髪やサイドの髪が顔にかからないようきちんとまとめるよう指導しています。
髪の色は明るすぎるカラーは禁止。。
ピアス、ネックレス、指輪禁止。。。。。
???
まるで中学生の校則のようです。
私自身は厳しい規則に縛られることが嫌で、個性命で生きてきましたので、他人と同じ装いが苦手です。
幸い、医学生時代も研修医時代も、服装・身だしなみのことで先輩医師にあれこれ注意されたことなどありませんでした。医者の世界は比較的自由だと思います。(最近の事情は知りませんので悪しからず)
寝ぐせで髪がボサボサ、制服が皺くちゃな研修医が注意されていた場面を目撃したことはありますが、よほど酷くない限り、髪が多少茶色くても、ピアスをしていても、ヒールを履いていても、化粧が濃くても、個人の自由という世界でした。
「髪の色くらい自由でいいでしょ。」
「ピアスだって華美でなければ別に気にならないのにな。」
などと考えながら、身だしなみ規定っていったい何のためにあるのだろう?と考えてしまいました。
身だしなみ、マナーで真っ先にに思い浮かぶのは航空会社の客室乗務員です。
または、ホテルマンでしょうか。
彼らには厳しい身だしなみ規定が存在するようです。
身だしなみに大切なのは「清潔感」「控えめ」「調和」です。
① 清潔感
肌荒れ、髪がボサボサな人に接客されたらガッカリしますね。我々医療従事者は、お客様の肌に触れる仕事をしています。清潔第一です。
② 控えめ
主役はお客様です。我々はお客様のキレイを応援する仕事をしています。控えめで上品な接客をして欲しいと思います。強引なセールスもNG
③ 調和
スタッフ全員の「調和」や「統一感」があると、お客様に安心してお過ごしいただけるのだと思います。
要するに、幅広いお客様の嗜好を考え、より多くの人が快適に感じていただけるような身だしなみを実現させるべく、このような「身だしなみ規定」を作っているのだと思いました。
学生服、就活スーツ、お受験スーツなど、日本人は統一感のある装いが好きで心地よいと感じている人が多いのではないでしょうか。
ダイバーシティ(多様性)が叫ばれている昨今、自分のクリニックではそれに反するような規則を強いていることを疑問に思いながらも、やはりきちんとした身だしなみでお客様をお迎えしたいと考える自分がいます。
でも、もしスタッフが白髪になったら、グレーヘアーはどうするのでしょうか。
自然な髪色ではなく、黒や茶に染めることは不自然だと思うのですが、グレーヘア―が万人に受け入れられるかどうかは疑問です。
肌断食と湯シャンをしている身としては、自然なグレーヘアーを受け入れたいのですが、客室乗務員やホテルマンでグレーヘアーの人がイメージ出来ません。
いっそのこと、全員が50代以上で、グレーヘア―だったら統一感が取れるのでしょうか??
また、外国人が一緒に働くようになったら、金髪、栗色、赤毛など様々な髪色はどうすればいいのでしょうか。
これからの時代は、このようなことも考えていかなければなりませんね。
働く人が「若い日本人」という前提からの脱却が必要だと思います。
統一感から多様性を重んじる世の中にシフトしつつある今。
真の意味での「身だしなみ」を再考しています。
身だしなみを整え、丁寧な言葉遣いと所作を日常的に身に付けることが、結果的に心を整えることに繋がるのではないでしょうか。心が穏やかになれば、人に対しても優しい態度になれるはずです。
うわべだけの装いではなく、本質的なところで真心のこもったおもてなしが出来ることを期待して、当院の身だしなみ規定を改定しました。
皆様からのご意見も是非お聞かせいただければ幸いです。