院長ブログ

クリニックのお仕事

ピコホワイト vs レーザーピーリング

当院開院以来、いや、北里研究所病院で勤務医時代(2000年)から使い続けてきた『レーザーピーリング(QスイッチNd-YAGレーザー)』、別名「パチパチくん(レーザーが当たるときのパチパチした音)」とか「おこげさま(香ばしい匂い)」などの呼び名で愛されること24年

2016年まで美肌治療はレーザーピーリングのみでしたが、確実に美肌効果を発揮するので、絶大なる信頼を寄せていました。もちろん今も変わらずです。

シミは薄くなるし、コラーゲンが増えて肌にハリが出るし、小じわも減り、毛穴も引き締まるし、産毛の除毛効果もあり、本当に万能レーザーです。ジェルを塗ったり拭き取ったりする必要もないので、ササっと治療できる優れものの憎いヤツ。WE LOVE LP(レーザーピーリング)

このレーザーピーリングはナノ秒レーザーです。

ナノ秒とは10億分の1秒という単位で、短い時間照射されるという意味です。

ところが、ナノ秒より短いピコ秒レーザーが登場しました。ピコ秒とは1兆分の1秒という単位ですから、ナノ秒よりさらに短い時間になりました。

そんなに短くなって、何がいいんじゃい?

照射時間が短くなると、メラニン色素だけでなく、真皮組織を破壊するパワーが強くなります。

衝撃波という光音響作用により、皮膚へのダメージを少なくしながら、効果的にシミを薄くしたり、真皮組織の再生を促します。

2023年9月より、一斉にピコ祭りを始め、今までのレーザーピーリングの代わりとなる新メニュー『ピコホワイト(ピコ秒Nd-YAGレーザー)』をスタート。毎月100人ほど治療を続けています。

今後はナノ秒レーザーが無くなり、ピコ秒レーザーが主流になるという話も聞きます。

私の診療の特徴は、1人ひとりの患者様からのフィードバックを丁寧に拾い上げることです。

そして、すべて自分で患者様の肌を診察し、治療していますので、毎日いろいろな気付きがあります。

今のところ得られた情報をまとめます。

【ピコホワイト】

~メリット~

・ツルツルする(←皆さまのお声No1)

・肌色が明るくなる(肌診断機器の画像でメラニン色素の減少を確認できます)

・痛みが少ない

・治療時間が短い

・レーザー後の膨疹や痒みがほぼゼロ

~デメリット~

・産毛に対する除毛効果が弱い。この点はレーザーピーリングの勝ち

 

当院のお客様の中には、レーザーピーリング歴100回を超えるLPマニア様が何人かいらっしゃるのですが、ピコホワイトは彼女たち全員のお墨付きを頂くことができました。ホッ

まだ半年ほどしか経過を追えていませんが、今のところ産毛の除毛効果以外は、ピコホワイトがレーザーピーリングに劣る点はなさそうだという結論。

今後は、ピコスポットやピコフラクショナルについても報告しようと思います。

 

 

 

ボトックス率

当院の治療3本柱は、以下の3つです。

1.レーザー

2.ボトックス注射

3.ヒアルロン酸注入

 

本日は「ボトックス注射」に関する報告です

私のボトックス治療歴は24年。もはやライフワークです。

私自身も18年間治療を受けていますが、心からいい治療と思っていますので、どんどん広めたいと、草の根活動を続けています。

どのような活動かと言いますと、私がボトックスを受けて欲しいと思う表情をしてる患者さんに、コツコツ丁寧に声掛けするだけです。スタッフにもフォローしてもらいます。意外と地味で時間がかかりますが、一番確実な方法だと思い18年間堅実営業を心掛けております。

ボトックス治療の何が良いかと申しますと、①安全 ②確実で劇的な効果 ③老化予防 でしょうか。

当院はほぼ会員制のようなクリニックで、長年通い続けて下さっている患者様のリピートで予約が埋まります。

よって、実際に稼働している患者数は年間400名程度です。毎月診ている患者数は150人前後ですので、いかにリピーターの皆さまに支えられているかということが分かりますね。患者リストは私の宝物です

この中で、ボトックス注射を受けている患者の割合を定点観測しています。

2018年に大阪と名古屋でボトックスに関する講演会をした時に、当院のボトックス率データーを出してみたのですが、46%だったことを覚えています。この数字は、他の美容クリニックと比べるとかなり大きな数字らしく、営業の方々に大変驚かれました。その時、根拠はないのですが、「よ~し、それなら70%を目指してみよう」とひっそり願いました。

その後どのように増加しているか気になりましたので、統計プロフェッショナルの知人に頼んで毎年のデータを出してもらいました。

驚きの結果です。

2020年はコロナの影響で患者数が落ち込んだにも関わらず、ボトックス率は48%へ上昇しているではありませんか

その後も順調に増え続け、2023年は、何と60%を超えました

おお、70%も夢ではありません。

 

夢は願わなければ叶いません。

当院では、ボトックス治療が極々普通に行われています。

白髪染めみたいな感覚でしょうか。

先日、娘の知人で、表情筋の癖が強過ぎる20代男子にボトックスを打ってあげたところ、「ボトックスで人生が変わりました」と大層喜んでくれました。予想以上のリアクションに、さらに自信が増しまして候。

ボトックスはそのくらいインパクトのある治療です。

低リスクで確実に効果を出すことができます。

肌が綺麗に、明るい表情になります!

不機嫌なしかめっ面よ、おさらば

こんなに良い治療を受けないなんて、人生半分損

高齢者でたるみが強く、シワが深い人の治療は難しいのですが、私は積極的にチャレンジします。

老若男女、どんと来いでございます。

1人ひとりが幸せを感じられる治療を提供して参ります。

 

 

 

2023年を終えて

本年の診療は全て終了いたしました。

皆様にとって、2023年はどのような1年となりましたか?

コロナも明けて、活動的にお過ごしでしたでしょうか。

 

【プライベート編】

私は、昨年脳梗塞になった父のケアに、心身ともに振り回された前半でした。

悔しくて涙したこともありました

ところが人間の回復力は凄いもので、父はやる気と自立心を取り戻しつつあり、最近は泣き言さえ言わなくなりました。失語症ですが、リハビリの甲斐あってかなり話せるようになり、図々しくあちこち歩きまわっている様子です。

ケアマネジャーさん、訪問看護師さん、クリニック、銀行などあらゆるところに監視の目が行き届いているため、何かあれば迅速に連絡を下さるので、本当に有難い限りです。

お陰様で私は精神的にだいぶ楽になり、通常運転再開です

高齢で病気を患う親との付き合い方を経験し、あまり干渉せず、余程のことではない限り自由にさせておくのが肝だと学習しました。

頼まれたら手を貸す。

こちらからあれこれ口を出さない。

子育てと同じです。

 

【仕事編】

T&R(信頼と尊敬)を探求し続けた1年でした。

18年間もクリニックを継続出来ているのは、患者様との長きにわたるT&Rを積み重ねてきたからと思えます。

ずっとT&Rを意識していた訳ではありませんが、患者様の期待には何としてでも応えたいという気持ちを強く持ち続けたことで、結果的にT&Rを築くことができたように思います。

「相手はどんな人で何を求めているのか。相手のために何ができるのか。」

今年はスタッフに入れ替わりがありました。

1人が鍼灸の専門学校に通い始めたため、新しいスタッフ2名が入社しました。

昨年も新しいスタッフが2名入りましたので、新参4名、古参3名となり、いろんな意味で化学反応を起こしているようです。

年初に掲げた通り、スタッフを増員して残業を減らすという目的は達成できました

当院は院長の私が全責任を持って患者様の診療にあたることが特徴です。

そして、診療をサポートし、患者様に徹底的に寄り添うスタッフの存在は欠かせません。

礼儀正しく、丁寧な接遇をするよう、日々スタッフに声掛けしております。

笑顔! 挨拶! 静かに歩く! 扉は手を添えて閉める! 身なりを整える!

小姑みたいに注意する自分が嫌なのですが、自分への戒めも含め、気持ちの良い人間でいられるよう精進し続けたいと思います。

スタッフ同士も、スタッフと院長も、T&Rを構築して気持ちよく働ける環境を整えます。

そのためには、どうしても「人事評価制度」が必要なことは数年前から分かっていたのですが、なかなか手に付かず。

ようやく今年から本腰を入れて制度設計を始めました。

オンライン学習を進めつつ、週1回、スタッフリーダーの西田とミーティングを続け、だいぶ形になってきています。

クリニックにとってもスタッフにとっても、働く幸せを実現するための人事評価制度です。

働く幸せとは? 将来の夢とは? クリニックで働く意義を見つめ直し、お互いのゴールを設定します。

院長がそれぞれのスタッフに対する期待職能を言語化します。

職業能力に合わせて役職と給料を設定します。

成長できるような教育制度を作ります。

設定したゴールに対する評価を行います。

・・・みたいなことをやっています

 

「毎年5%成長を続けることで、人としての器をストレッチさせましょう

年末の納会で、私はこのような挨拶をしました。

「毎月3万円を利回り5%で運用したら、30年後にはいくらになるでしょうか?」

という質問を投げかけました。

単純に無利子で毎月3万円貯金を続けたら、30年後には1080万円ですが、5%の複利を続けたら約2500万円になります。2.5倍です。

お金を投資しろと言っているのではなく、自分に投資せよと言いたいのです。

自分の能力が高まり、器が大きくなれば、出来ることが増えます。

心に余裕があれば、人に優しくできます。

良い治療を行うには、かなり複雑な能力が必要だと思います。

①コミュニケーション力。信頼関係を築くこと。

②1人ひとりの患者様の特性をよく知ること。

③治療によって得られるメリットとデメリットを天秤にかける。

④患者様に喜んでいただける治療結果を想像する。

⑤治療技術を磨く。

⑥治療のベストタイミングを提案する。

⑦自分自身の心身の状態を整えておくこと。

⑧責任感と慈悲心を忘れない。

⑨恐怖心に打ち勝つメンタルを鍛える。

⑩人気者になること。

他にもいろいろあると思います。

仕事の本質は、「相手の悩みを解決すること」です。

そのために、自分の器を少しずつストレッチし、出来ることを増やしたいと思います。

私は50歳を超え、体力や記憶力など様々な身体能力は低下していると思いますが、恐れながら治療に関してはまだまだ上達しているとさえ感じています。経験や知恵が役に立つ仕事内容だからでしょうか、それともただの思い込みでしょうか←痛い人

自分の直感を信じて生きていますので、自己成長を感じられるうちは、診察室での仕事を続け、皆さまに幸せに尽くします。

老婆が裸の女王になっていたら、どなたか苦言を呈して下さいませ。

 

仕事から解放され、今年をあれこれ振り返っていたら、取り留めもない長文になってしまいました。

今年もお付き合い下さり、誠にありがとうございました。

ご年配の患者様からも「先生のブログ、読んでいますよ」と言われることが増え、嬉しい限りです。

これからも楽しい経験を積み重ね、内容を充実させたいと思います。

来年もよろしくお願い申し上げます。

良いお年をお迎えくださいませ。

 

2023年12月30日  自宅にて

山口麻子

 

 

 

集中

12月らしい診療が続いています。

年末なので、皆さまのご期待に応えようとあれこれ治療内容を増やしてしまうので、だんだんズルズル診療時間が長引いてしまいます

ここで焦ってしまうと、適切な判断力が鈍ってしまい、最良の結果を出すことができません。

焦らず、目の前の患者様に集中するよう心がけています。

息子が高校生の頃、いろいろ心配で干渉するうるさい母親(私)に対して、「お前は仕事に集中しろ!」と逆切れされたことを思い出します。それ以来、診療中焦りそうになる自分に対して「集中しろ!」と心の中で呟きます。すると、不思議なくらい集中できるのです。

集中していると時間を忘れ、ズルズル診療が長引いて、次の方をお待たせすることになります 今月は担当スタッフに診療時間を意識的に声掛けしてもらうよう頼んでいます。

皆様の貴重なお時間を守るよう、スタッフが治療内容を事前に把握し、予約時間を上手に調整しておりますが、それでも生身の人間を相手にしていますと、そうそう時間をきっちり守れるものではございません。

特にヒアルロン酸注入は、かなり神経を使います。

きれいな結果を出すために、まずはデザイン。注入ポイントを正確に決めます。正しい場所に適切な量をゆっくり丁寧に注入します。そして微調整が必要です。ほんの0.05ccでも結果に大きく影響します。不足気味では十分な満足が得られませんが、入れ過ぎは絶対にダメダメちゃん。いつもいつも80%の結果を胸に刻み、ちょっと足りないくらいの仕上がりを目指しています。

また、内出血を起こさぬようしっかり止血しながら治療しますので、これまた時間がかかります。

針の刺入部からぴゅ~っと血が出たら、2分間全力で止血すると、青あざを残しません。

だから焦ってはならないのです。

最後はいろんな角度からライトを照らして最終確認をします。

凹凸がないか、シコリはないかなど診て、触ってチェック。

マッサージで馴染ませます。

注入治療は結果が一目瞭然。

「うゎぁ、上がった!すごい!」

患者さんに仕上がりを確認していただく瞬間がたまりません

この仕事をやっていて、本当に良かったと心の底から喜びが込み上げます。

私は仕事が好きだワン。

織田信長より年を取ってしまいましたが、それでもなお、もっともっときれいな治療ができるよう上手になりたい欲は止みません。これは志欲だからいい欲なのでしょう。

 

ヒアルロン酸注入は、加齢により顔のボリュームが減少し、たるみが気になってきた状態を改善させる治療です。

目の下のたるみ、ほうれい線、マリオネットライン、頬やこめかみの凹みを改善させます。

たるみが酷くなる前に、少しずつ治療していくと、無理なく自然なアンチエイジングが実現できます。

 

言い訳がましいのですが、予定の時間に診察室に入れなかった場合は、「あ、先生は集中しているんだな」と大目に見て下さいませ。

今年もあと僅か。

集中力を切らさぬよう頑張ります

 

 

 

知性と品格ある大人のための美容クリニック

医学生の頃、バリバリの美容形成手術見学にボストンの病院を訪れました。

脂肪切除、豊胸術、隆鼻術、フェイスリフトなどなど、毎日ダイナミックな手術に入らせていただいて、実際に患者さんに触らせていただいたりして、この上なく興奮したものです。

私も絶対美容外科医になると自分の進路を決めた瞬間、24歳の出来事でした。

恥ずかしながら、人を幸せにしたいというような崇高な動機ではなく、「カッコいいから」という自己中心的な向上心のみで突き動かされていました。

 

20代後半、北里研究所病院で美容形成外科研修を始めます。

相変わらず自分本位な欲望で仕事に励んでおりました。

ほとんど未経験なのに、「手術させてください」と病院内のお医者さんたちにビラを配っていたのですから、無鉄砲ですよね。若さって怖いもの知らず。

そんな私に心境の変化が訪れたのは、美容医療を受けに来院していた患者様たちの影響です。

とても知的で美しく、芯のある女性たちとの出会いでした。

立ち振る舞いだけでなく、物腰の柔らかな話し方と美しい言葉遣い、そして知的好奇心をそそられるような会話。

私もまだ若かったので、50代以上の女性たちから学ぶことがたくさんあり過ぎました。

書籍、映画、芸術、芸能から、どんな子供時代を過ごしていたのか、どんな恋愛をしていたのか、家族との向き合い方などなど。

仕事の話やお金の使い方まで教えて下さいました。

知らないことはメモを残して、後で調べて復習しました。

若かったので、記憶力が良かったせいか、患者様との会話内容がスポンジが水を吸収するように頭に入っていきました。※今はスポンジが水浸しで、全く吸ってくれません

「そうか、美容医療というのは、知的で上品な女性たちがより輝くことで、周囲に良い影響を与えるためのものなのかもしれない」と、初めて患者目線で考えるようになりました。

共通していることは、素敵な人達には、その心に人生の本質的な何かが宿っているということです。

それがなければ、上辺だけの薄っぺらな美容に過ぎず、それは応援したくないとさえ思ってしまいます。

当時の上品な患者様は、有難いことに今でも通って下さっています。

残念ながら亡くなった方もいらっしゃいますが、特に影響を受けた女性はお墓参りにも行かせていただきました。

 

見栄とはったりで医者を目指し、カッコいいという理由で美容外科医を志していた稚拙な私が、東京白金で17年間もクリニックを続けて来られたのは、「知性と品格ある」患者様に育てられたからです。

当院の存在意義・使命に「知性と品格ある大人のための美容クリニック」を掲げている理由はここにあります。

私自身はとても上品と言えないバンカラタイプなので、少しでも上品に振舞いたいという願いも込めています

社会を憂う前に、きちんとした大人でいたいと思います。