クリニックのお仕事
先週、『健全な美容医療』について考えました。
美容医療を受ける適正頻度というものに関しては、我々業界の中でも特に決まりがありません。
何となく「月1回×6回コース」などセットメニューがありますが、必ずそうしなければ効果が出ないというわけでもありません。
通う頻度、治療内容、年齢、肌質だけでなく、個人個人の健康状態や経済状況が治療結果に影響を及ぼします。
個別ファクターが多いのですが、そういうものをポチポチ入力すると、最適な治療内容と頻度が提示されるようAIに学習させられないものなのかしら?などと考えてしまいます。
いずれそんな時代が来るのでしょうか?
そういうものが無い現在、自分自身の治療経験と勘を頼りに、どのように治療を進めたら最適な治療効果を出すことができるか?を考えてみました。
【肌ルネ式スキンケア】
どの年代にも共通して言えることは、「化粧品の使用は最小限に留めましょう」ということです。
20代:肌トラブルがなければ治療の必要なし。ニキビやシミなどスポットで治療を受けることを薦める。
30代:お肌の曲がり角を感じたら、春・夏・秋・冬と季節ごとに1回程度の美肌レーザーを提案。
40代:若々しさを少しでも保ちたければ、顔面の筋肉拘縮予防目的でボトックスを始める。適度のヒアルロン酸注入も老化予防に役立ちます。
50代~:この年齢から美容医療を始めるのであれば、躊躇せず、ガンガン治療を進めましょう。美肌レーザー3種を毎月×12か月。取れるシミはどんどん取る。ボトックスとヒアルロン酸は顔が変わらない程度に取り入れる。目に見えて肌がキレイになる実感を味わっていただくことで、自信と喜びに繋げる。
美容医療は気分が高まった時に受けたいものですし、最初の1年間は毎月通っていただいた方が断然効果が出やすいと感じています。
そして、「あ~、本当にきれいになったなぁ」と実感できるのは3年後です。
絶対3年なのです。
だからこそ、皆様が快適に通い続ける環境を整えることが重要と考えます。
当院の予約状況ですが、初診予約を制限したことで、少しずつ予約が取れやすくなってきました
通いたい人がきちんと通い続けることが出来て、好ましい結果を出し、皆さまの喜ぶ笑顔に触れたい
そのためにも、当日の変更・キャンセルがないようご協力いただけませんでしょうか。
予約の変更・キャンセルは前日のお昼12時までにご連絡下さいませ。
お約束を守っていただけると、キャンセル待ちのお客様をご案内することができます。
何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。
週末、美容医療の勉強会があり、大阪へ
金曜日の診療後、新幹線で向かい、深夜に到着。
土曜日と日曜日のお昼までミーティングが続き、その後京都に用事があって立ち寄り、東京に戻ったのはまたもや深夜
久し振りのハードスケジュールで、全身の細胞が破裂するかと思いました。
週末は別荘でリフレッシュなんて人もいらっしゃいますが、私には絶対無理
身体が持ちません。
さて、本題に戻りましょう。
私の愛する美容医療。
時は流れて、受ける患者さんの属性も変化しましたが、治療する医師の考え方も変容しています。
一昔前は、美容外科手術を受ける人は大変珍しく、広く万人に受け入れられるものではありませんでした。今は「一般の人でも気軽に美容医療を」というコンセプトを大手美容チェーン店が努力して打ち出しているので、美容医療への間口はかなり広がっているような印象を受けます。テレビCMはもちろん、電車内広告でも目にするようになりましたし、一般の人でもSNSやYouTubeで自分自身の治療経験を公表する時代となりました。
目を大きくしたい、鼻を高くしたい、唇をぷっくりさせたい、小顔になりたい・・・と顔の造作を変えることで、コンプレックスから解放されましょう!と言わんばかりに、まだ善悪の判断もつかない若者の心に「キレイになりたい病」を忍び込ませる悪魔がいることをお忘れなく。
不必要な治療を勧めたり、支払い能力のない人にローンを組ませたり、資本主義に生きる金亡者は容赦しません。
リアルな容姿を変化させるだけでは気が済まないのか、さらに写真を加工するので、もはや別人。
一部の人たちにとっては「加工」がデフォルトらしく、「加工しない」ことが異常というのだから、もう私にはついていけません 加工なし=すっぴん?? みたいな??
あ、そういうことか!加工はメークと同じ感覚なのでしょうね。
365日すっぴん、肌断食推奨の身としては、どうやっても盛りようのない自分の素顔と向き合いながら、「まあ、こんなものよね。」と自分の実力を受け入れて生活しています。
50歳も過ぎると、その老け顔にゾッとするのですが、若かりし頃の自分の面影を重ねてしまうから、「こんなんじゃない」と抵抗したくなるのです。でも、それが現実で、そんなものです。「もう歳だから仕方ないわよね。」と割り切る考えがある一方、「諦めたら(女は)終わりよ」と一生懸命抗う人たちもいます。まあ、どっちだって良いわけで、正解があるわけでもないから、自分が快適なように美容医療と付き合えばいいのではないかと思っています。
人工美を求めて一生懸命になり過ぎて、バランスの崩れたお顔になってしまうケースもありますが、それを希望している人たちもいるので、悪いとも言い切れません。ただ、あまりにも人工的な顔に対して、「不自然になるから美容医療は嫌」と全否定されるのは、美容医療に携わる身としては悲しいものです。それはあくまでも一例であり、美容医療を受けたら全員が人工顔(アバター)になるわけではありません。
こんな時代だからこそ、私は健全な美容医療を提供したいと思うようになりました。
HIFUで引き締めて、糸リフトでリフトアップして、目の下の脂肪を除去して、頬・額・鼻・顎などにヒアルロン酸を入れて形を変え、フラクショナルレーザーとダーマペンで毛穴を小さくさせて、、、という終わりなき美容医療旅を続けていても、決して美しくなれないことを、何となく肌感覚で理解しています。
何事もほどほどに。
私たち美容医療に携わる者は、患者さんの顔に対して大きな責任を感じています。
だからこそ、健全な美容医療を提供する1人の医師として、美容医療との適切な付き合い方を伝えることが、これからの私のやるべきことなのではないかと考えるようになりました。
やり過ぎは要注意です。美を損ねるばかりか、肌の健康まで損ねてしまうからです。中高年になると、肌のバリア機能が一度壊れてしまったら、回復までに何か月、下手をすると何年も時間がかかってしまうのです。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
美容医療はスタンダートな治療だけでも、長い年月をかけてコツコツ治療を積み重ねれば十分効果を出すことができます。
たくさんの美容機器に惑わされませんように。
流行に流されず、自分軸をもって美容医療とお付き合いする「大人美容」を提供するクリニックでありたいと思います。
最近、美肌レーザー後の発疹に関するお問い合わせが増えています。
当院にご来院下さる患者さんの8~9割は、美肌レーザーを受けています。
美肌レーザーとは顔全体に照射するレーザーのこと。
皮膚の表面を傷つけないので、ダウンタイムがほとんどないのが最大のメリット
日常生活に支障なく続けられる美肌治療です。
1度の治療で劇的な効果はないものの、継続することで確実に素肌力を向上させてくれます。
美肌レーザーの中でも“QスイッチNd-YAGレーザー”、別名「レーザーピーリング」はやや鋭い当たり方をするため、その刺激の強さが原因で、たまに赤いプツプツとした発疹が出ることがあります。
開院当初から使用していたQスイッチNd-YAGレーザー機器は、発疹の出現する頻度が2~3割くらいあった印象でしたが、2018年に新しい機器に変更してからは発疹出現頻度が激減しました。以前は保冷剤で冷やしながらレーザー照射していましたが、現在の機器ではそれが不要になりました。患者さんも楽になったと言います。
ところが、この1~2か月、なぜかレーザー後の発疹に関する問い合わせが4~5件続きました。
パワーを強く設定したり、長時間照射すると、発疹のリスクが高まります。
その他に考えられることは、花粉症のシーズンで肌がやや敏感になっていたのかもしれません。
発疹出現自体は悪いことではなく、レーザー照射に伴う合併症の1つであり、一過性であり、まず問題になりません。多くの場合は2~3日で消退しますが、中には1週間以上かかる場合もあります。
大切なことは、出た場合の対処方法です。
ここで対処方法の復習をしておきます。
≪レーザー後発疹が出た場合≫
①冷却 ※保冷剤を使用する
②痒みを伴う場合、リンデロン軟膏またはローション(ステロイド)を直ちに使用する。
③掻かない!
ポイントは、我慢せず薬を塗ることです。
塗ったら負けとか、ステロイドが怖いとかではなく、発疹を長引かせる方が問題です。
塗れば1~2日で発疹は落ち着きますが、我慢して引っ掻いたりすると、治るまで時間がかかってしまいます。
傷跡がシミになったら困りますからね。
皆さん、しばらく様子を見ているのか、2週間後くらいに問い合わせの連絡があるため、この度ブログで注意喚起しようと思いました。
今までレーザー後何もなかったのに、突然発疹が出ることもあります。
その場合は冷却して薬を塗る!引っ掻かない!!
それさえ守って下されば、特に怖いことではありませんし、シミになることもありません。
レーザーピーリング以外のレーザーで発疹が出ることは稀ですが、ゼロではありません。
レーザー治療はそういうものであり、対処方法があるということを、今一度ご理解くださいますようお願い申し上げます。
あらゆるシーンで大いに役立つ『信頼関係』
目に見えるものではありませんが、お金には換算できない至宝。
全財産失っても信頼さえあればやり直せると言います。
患者さんと私たちの間で信頼関係が築かれると、治療が断然上手くいきます。
「信頼されているな」とか「まだまだ十分信頼されていない。何か不安そうだな」というのは肌感覚で分かります。
私たちは当然信頼していただけるような仕事をすることを目指しています。
例えば、以下のようなことでしょうか。
・約束(時間)を守る
・話に耳を傾ける
・質問に対して正確かつ丁寧に答える
・院内を清潔に保つ
・笑顔!
それより何より信頼されるポイントは、『満足する治療結果を出すこと』です。
そう、『結果』なのです。
ボトックスやヒアルロン酸注入は比較的治療効果が分かりやすく、早く結果を出すことができます。
しかし、レーザー等の美肌治療は、コツコツ治療を繰り返すことでゆっくり効果が出るものです。
私たちの提唱する肌ルネスキンケアは、ファンデーションに頼らない素肌づくり。
目標の肌を手に入れるには最低1年~3年かかる長い道のりです。
通って間もない頃は、「まだ疑われているな」と感じることもありますが、ある時急に“信頼の妖精”が現れる瞬間があります。
その瞬間に触れると、この上なく嬉しくて嬉しくて、この仕事を続けて良かった(ホッ!)と心から思えます。
信用貯金が増えましたって感じ。
お金も大切ですが、信頼はもっともっと人生に光を照らします。
仕事の成功は、信頼関係を築けるか否かにかかってきます。
いや、人生の成功と言っても過言ではありません。
最近「承認欲求」という言葉をよく耳にしますが、信頼される仕事を積み重ねることで「承認欲求」は満たされます。SNSなど虚構の世界で承認される努力を積み重ねるより、まずは目の前の人を大切にすることです。
人生有限ですので、自分のできることなど限られますが、日々コツコツと信用貯金を殖やしたいと思います。
昨年10月脳梗塞で倒れた父は、半年ほどかけて、だいぶ回復したというか、その状態に慣れてきた様子です。
高齢者住宅で、ヘルパーさんや訪問看護や友人やデイサービスの助けをフルに借りて、生きがいを模索しながら暮らしています。
この半年間、父の生活を立て直すためにかなりエネルギーを注ぎましたが、最近ようやく私自身の心の余裕という余白を感じられるようになりました。
久し振りに歯のクリーニングへ行ったり、ずっと気になっていた耳の違和感を解決するべく耳鼻科受診も済ませました。
脳もだいぶ錆び付いていましたが、数時間集中して読書することも出来るようになりました。
自分メンテナンスをすると、大切に生きているような気持ちになれます。
そして、仕事のこと。
ずっと中途半端にやりかけていた『人事制度』を完成させようという気持ちが再浮上してきました。
当院はお陰様で患者様に恵まれ、集客という課題はクリアしています。
同じエネルギーを注ぐなら、あくせく不必要な消費を煽る集客方法に勤しむよりも、目の前の患者様に集中して治療結果を出すことのほうが、本質的に満足度の高い結果が得られると確信しています。
次なる課題は、優秀なスタッフが「希望と遣り甲斐を感じて長期間働ける職場にする」ということです。
セミナーに参加したり本を読んだりして、給与を決める基準は作成しましたが、ガラス張りではありません。
クリニックが求める人間性や職業能力を明文化し、1人ひとりが自己の能力を高め、患者様の喜びに貢献できる人物となることを切に願います。
今年の年末までに、新しい『人事制度』を完成させることを宣言します
スタッフも巻き込んでこのプロジェクトを進めて参ります。
名付けて『Trust & Respect』プロジェクト。
院長もスタッフも患者様も、皆が互いに信頼できて尊敬される関係になることを目標にします。
信頼と尊敬を得るには、まずは相手を思う気持ちが必要です。
そのためには自分の心に余白が必要です。忙しすぎないこと、そして器を大きくすること。
易きに流されず、学びを続け、徳を積んで深みのある人間へと成長したいです。
信頼と尊敬のある人間関係の構築には時間がかかりますが、諦めず取り組んでいこうと思います。