院長ブログ

醍醐寺

久し振りに家族4人で京都旅行を楽しみました。

東京よりやや肌寒く、桜もつぼみが目立ち、ベストタイミングで訪れるのはなかなか難しいものです。

それでも今日は晴れて暖かくなり、宿泊先の女将が薦めて下さった『醍醐寺』の桜は素晴らしいものでした。

こちらは平安時代に創建された『三宝院』にある太閤しだれ桜。

樹齢160年、圧巻です

 

豊臣秀吉が復興させたこちらの庭園。

私の心を鷲掴み。

秀吉の圧倒的なパワーを感じさせる、エネルギッシュなお庭です。

しばらく座って眺めながら、西洋のような幾何学的ではない造作に計り知れない美を感じてしまうのは何故でしょうか。

樹木、石、池の水は自然なものですが、それらを絶妙に手入れしていますので、本当の“自然”ではありません。

しかし、鉄筋コンクリートやプラスチックのような完全なる人工物ではなく、素材自体は“自然”

お庭を観ながら、お手入れされた素肌の美しさを連想してしまうのは、職業病でしょうか。

 

“わび・さび”の真骨頂である枯山水も素敵ですが、

今の私は、この秀吉の力強い庭園に強く惹かれてしまいました。

手入れされた自然美の中に、自分の求めている無意識の何かがあるような気がしています。

新年度の始まりですね。

気持ち新たに、でも「初心忘るべからず」を意識して、自分の仕事を深めたいと思います。

 

卒業

3月は卒業シーズン。

長年にわたり当院に貢献してくれたスタッフ、渡邉青子もこの春クリニックを卒業します。

黎明期から私の右腕として、共にクリニックを育ててくれました。

苦楽を共にしてきた、大切なパートナーでした。

昨年退職の意向を告げられた時はショックで、

頭では理解しているものの心がついて行けず、

寂しくて悲しくて無念で、

言い知れぬ虚無感に度々襲われました。

この感情に蓋をしようとしても、どうしても蓋が閉まらず、

それならいっそのことこの感情に向き合い、味わいつくそうではないか!と開き直ってみたり。

日日薬とは言ったもので、だんだんとこの感情が消化できるようになりました。

 

諸行無常

一切皆苦

愛別離苦

人間の悩みに向き合い、

心の修行を続け、

真理を追究し、

悟りを開いたお釈迦様のお言葉は、

2500年以上経った今でも深い説得力があり、我々の心に染みわたります。

「人生ってこんなものだ」と思えるし、

自分の考え方次第で、物事の景色は変わるのです。

 

この世に絶対なんてことはなく、

人の心は移ろいやすく、

だからこそ人間関係は一期一会。

愛情込めて丁寧に構築することの大切さを再認識しています。

 

私は「元気」でいることに、無意識に執着しているような気がします。

自分自身のエネルギーを高めておかないと。

毎日美容医療は継続できません。

時々ガス欠になることがあり、

いろいろな方法で「元気」を充電するようにしています。

この「元気エネルギー」の源は、やはり人間関係の中から発生しているように思うのです。

患者さんとの対話の中からエネルギーを頂くこともあります。

「先生、元気そうですね!」と言われると、この上なく元気になりますので、どんどんお声がけくださいね

そして、ハイブリッド車のような、極力燃費の良い心持ちをすること

心をすり減らさないよう整えること。

魂を消耗する暮らしをしていると、それは表情に現れてしまうので、美容の大敵です。

きれいになりたければ、「通っていると何だが元気になれる」美容クリニックを選びましょう。

 

青子さん不在のクリニックは、まるでイチゴのないショートケーキ?のよう。

青子ロスにならないか心配です。。。

でも、当院には他にも美味しいフルーツのようなスタッフがいますので、4月からはフルーツタルトとして生まれ変わります

私がしっかりと、固いタルト生地のような土台として支えます

そして、新しいスタッフが入社します(詳細は後日報告いたします)

スタッフの入れ替わりで、しばらくご不便をおかけすることもあるかと思いますが、日々精進して参りますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 

神様

息子が第一志望の医学部に合格しましたぁぁぁ

よく頑張りました

本当におめでとう

 

小さい頃は「おかあしゃん、おかあしゃん」と母の後ばかりついて回った可愛い息子。

保育園で字が書けるようになった頃、毎日のようにラブレターを書いてくれた我が子。

保育園、小学校時代と、何かと先生に呼び出されることが多かったやんちゃ坊主。

ゲームばかりしていた反抗期の中学生時代。

ようやく自我が芽生えた高校生。

自分の将来へ向けて進み始め、やっと勝ち取った成功体験。

年明けの共通テストから合格発表までおよそ2か月。

本当に長かった~~~

「神様っていたんだ」っていう気分

子供って、こんなに人生に潤いをもたらしてくれる存在だったとは。

思い返せば大変なこともたくさんありましたが、

そんなことを吹き飛ばすくらいの喜びをもたらしてくれる存在です。

 

足繫く愛犬と通った近所の神社に、御礼参りをしてきました。

あの“ぎっくり腰”になってしまった神社です。

神様にお手紙を書いて、お賽銭箱に入れてきました

実はこの神社、息子が中学3年の絶賛反抗期中の頃、一緒に茅の輪くぐりをした神社です。

「神様、この子自身が進むべき道を早く見つけられますように」と何度も何度も祈りました。

自分自身で自覚しないことには、周りが何を言っても響きませんから。

子供の成長はこの上ない喜び。

人生半分生きてきた私くらいの年齢になると、

自分のことよりこれからの時代を担う若い人たちの未来に向けて応援したい気持ちが強くなります。

コロナとか戦争とか、世界は不穏な状態が続いていますが、

戦争なんか止めて、真の意味で豊かな社会に向けて、そのエネルギーを注いで欲しいと心から願います。

 

肌断食の聖地、白金

ここ数年、「肌断食」という概念が随分広まった印象を受けます。

私は元祖肌断食提唱者、宇津木龍一先生の弟子であり、

「ファンデーションに頼らない素肌づくり」を謳って16年目の美容皮膚科ですから、

肌断食を志す人々が全国から当院を訪れます。

肌ルネ会員にとって、『年1回の白金参り』が習慣になったらいいなぁ~。

肌断食の聖地、白金。ふふふ

化粧品を減らして減らして、とうとうゼロになって、

「本当に楽になりました。ありがとうございます。」

と感謝される日々。

化粧で誤魔化さない素肌は本当に清々しく、健康的で美しいのです

 

肌の診察を毎日やっていますと、

『化粧品で傷んだ肌』というのが分かるようになります。

皮膚が擦れて薄くなり、酷い人はキメが全く消えています。

『ビニール肌』と表現する人がいますね。

赤くてテラテラしていて、火事を起こしている肌です。

このような肌の人たちには、化粧品の使用によって皮膚が傷んでいることを説明し、とにかく使用量と頻度を減らしてもらうよう指導します。

レーザー等治療はしません!とにかく「やめる」ことが治療です。

ところが、化粧品依存になっている人たちには、「やめる」ことのハードルが高い

それでも根気強く説明し続けます。

だって、止めるだけで肌が回復するのですから。

この回復力を診ているだけでも嬉しくなっちゃいます。

 

先日も、化粧品をたくさん塗りまくっている患者さんがいらして、

基礎化粧品の数を1~2種類に減らし、

ファンデーションはまだやめられないものの、

クレンジングを中止したところ、

3か月で驚くほど肌が回復していました。

人工的に傷めた肌は、まず原因を絶つこと。

皮膚という“土壌”に、自力で潤う力を呼び戻すのです。

 

当院のスタッフは、全員素肌です。

肌断食の理解も深いので、熱心にスキンケア指導をしてくれます。

自分たちが経験者なので、化粧品をやめることの苦労も知っています。

そして素肌で過ごせることの価値を共有しています。

「やめるを指導できる」エステティシャンは、当院の宝です。

祖母永眠

101歳の祖母が永眠しました。

本日は葬儀のため、ご予約いただいた患者様には大変ご迷惑をお掛けしてしましましたが、ご容赦頂ければ幸いです。

 

祖母は頭がしっかりしていたせいか、

死ぬまで尊厳が保たれていました。

老人施設に10年以上お世話になったにもかかわらず、

家族やスタッフにぞんざいに扱われることなく、

最後まで立派だったと思います。

 

精神的に自立していて、

家族にもたれかかることもなく、

超節約根性は誰にも負けず、

自分のこととなるとドケチなのに、

孫の私にポンッと車を買ってくれたり、

家族にお金を回せる人でした。

昭和30年代に、夫(祖父)の赴任先であるインドで運転免許を取得し、

昔の女性としては珍しく車(マニュアル!)を運転していたので、

小さい頃はいろんな所へ連れて行ってくれました。

短歌、ピアノ、麻雀、お茶、社交ダンス、洋裁など多趣味な人でした。

 

10年以上老人施設に入居し、

だんだん衰えていく中、

どのように感じ、何を考えていたのでしょうか。

強い人だったので弱音を吐くことはありませんでしたが、

辛かったのかな、寂しかったのかな、痛くなかったのかな、などと可哀想に感じることもありました。

いわゆる『老衰』でしたが、最後は声も出せず、食べられず、静かに息を引き取りました。

立派に101歳の生涯を終えました。

いい人生だった!と思いながら、あの世へ旅立っていることを信じています。