美容医療を続けて22年。
好きなことが仕事になったから、ここまで続けられたのかと思います。
大したことは成し得ていませんが、それでも毎日人の肌に触れ診察していると、それなりの発見や経験が蓄積されているような気がします。
最近よく考えることは、「年齢に応じた美しさ」
60歳も過ぎると、寄る年波のシワやたるみは避けられず、それが“自然”なのですが、その自然を超えた若さを追い求める人たちとどのように向き合ったら良いか思考しています。
いや、還暦過ぎに限らず、若い人でも同じです。
「いや~、十分お綺麗ですよ。」と、私は本気で思っているのに、美のユートピアへ向かう人たち。
私よりずっとずっと、ある意味“美意識”が高いので、その気合に導かれて気付かされることもたくさんありますから、そういう時は自分自身の実力がまだ足りないなと素直に反省しています。
一方、「もうその辺りでご満足いただけませんでしょうか」と思うこともあるわけです。
特に毛穴。
鼻の毛穴など開いて角栓がポチリポチリ溜まっているのが『普通』なのですが、つるつる毛穴レスを夢見ている人の多いこと!
ほとんどの人の毛穴は『普通』です。
反対に、びっくりするほど毛穴が詰まって汚れている人のほうが圧倒的に少ないのです。
「毛穴ってそんなものですよ。」と、いつもお話しています。
ファンデーションを止めると毛穴は目立たなくなりますから、あれこれ治療する前に、とにかくファンデーションとクレンジングを控えることが肝心なのです。
毛穴にフォーカスする人が多い印象を受けますが、ハッキリ言って気にし過ぎです。
50代の患者さんとお話していて、
「先生がカッコいいと思う60~70代の女性はどんな人ですか?」と聞かれ、無意識に口をついたのは
「品のある人だと思います」でした。
それに加え、「自足している人」でしょうか。
自足している人は、愚痴や不満がないため、話も軽やかで楽しいし、何より表情が美しい。
では、どうしたら「品があり、自足した状態」になれるのでしょうか。
美容医療を受けることで、それらが身につけば、最高の治療になるのではと思うのです。
医師という職業柄、様々な悩み相談を受けます。
心の悩みに寄り添った対応ができるよう、診療のレベルアップを測りたいですね。
美容医療は実に奥が深く、提供する側も哲学を持って臨むことで、患者さんの道しるべになれたらいいなぁと思います!
40代の頃から『自由な50代』をイメージして、そうなるように人生設計をしておりました。
先日掃除をしていたら、2012年に開かれた大学の同窓会パンフレットを発見
私の近況報告は以下の通りでした。
港区白金で美容皮膚科を開院、7年目を迎えました。
「自由な50代」を目標に仕事と家庭を大切にしています。
おおー!! 10年前から「自由な50代」を掲げていたことにびっくりです。
10年前は東日本大震災の影響もあり、クリニックの仕事もまだまだ不安定でした
子供たちもまだ小学生で、手のかかる年頃でした。
あれから10年。
お陰様で、理想の50代に近づけたのではないかと満足しております
では、次はどんな60代を目指そうかな??と考えました。
娘が素敵なフランス人女優の写真を見せながら話をしてくれたのですが、
「お母さん、この女優さんは日焼け止めを塗らないんだって。UVケアは帽子とサングラスだけみたい。カッコいいよね~。」
確かにカッコいい。
50代後半の彼女は、美容医療による過剰なお手入れをした感じがなく、薄化粧。
ファッションセンスがす・て・き
エレガントに年を重ねることは一朝一夕では成し得ません。
家で犬と戯れる色気のない己の姿に、恥ずかしさすら覚えました
しかも、ぎっくり腰のせいで、この2週間フラットシューズしか履けず、毎日同じ洋服を着ていました
これではいかんいかん!
美容医療に携わる身として許せない!
幸い、私の周りにはカッコいい60代女性がたくさんいます。
彼女らをお手本に、私も気張って生きることを宣言いたします。
私なりの「カッコいい60代」を目標に、充実した毎日を過ごして参ります。
今年の冬は、お肌の乾燥が気になりませんか?
私の手はカサカサして、おばあちゃんのようにシワシワ
冬の低温・低湿度と、汗をかかない生活が原因でしょう。
当院のスキンケアは、基本的に化粧品を使わない「肌ルネ」を提唱していますが、
肌ルネ成功者のお顔は、冬の乾燥に負けないお肌です
「洗顔後は顔がつっぱるので、すぐに何か塗らないとバリバリになって大変」
と感じている方は、ご自分の肌が“不健康”であることにお気づきでしょうか?
バリア機能の保たれた保湿力のあるお肌は、ワセリンを少しだけ塗って皮膚表面を保護してあげるだけで、十分潤いを保つことができるのです。
皮脂分泌が十分ある方は、ワセリンすら不要。
裏を返せば、ワセリンだけで潤う皮膚は“健康”だということ。
もしワセリンだけでは乾燥が厳しいと感じるようであれば、
とにかく洗顔料(クレンジングとか洗顔フォーム、石鹸など)を止めるようにして下さい。
洗顔料は乾燥行進曲です。
洗顔料を止めることこそ、乾燥肌対策の第一歩。
マスク生活も2年。
これをきっかけにリモートワークが進んだり、
人に会う機会が減ったことで、
「ファンデーションを止めました」
という方が増えました。
ファンデーションを止めると、
洗顔料も要らなくなるので、
肌への負担はぐっと減ります。
そして「今年の冬は乾燥しなくなりました」
と、肌の変化を実感して頂けているようです。
乾燥するからと、化粧水やクリームをベタベタ塗るのではなく、
まず洗顔料を止めること。
これ、本当に大切です。
※洗顔を止めるのではありません。適度な水洗いは必要です。
ファンデーションがなかなか手放せない人は、塗った日だけ洗顔料を使うようにすると良いでしょう。
洗顔料を手放しますか?
乾燥肌を手放しますか?
「肌をきれいにしたい」という気持ちは一緒なはず。
乾燥肌でお悩みの方は、洗顔料をやめることを、美容法の一つとして追加してみて下さい!
久々にやってしまった『ぎっくり腰』
3~4年ぶりでしょうか。
毎月定期的に通っていた整体ですが、ここ1か月以上おさぼりしたことが仇となりました。
そろそろ行かなくては・・・と、日曜日に予約していたのに、予約2時間前にビリビリビリと腰部に稲妻がどっかーん。チーン。
起床時から腰が重たくて嫌な感じがあったのですよね。
それなのに長時間犬とお散歩したのがまずかったのか、何なのか。
先月から息子の大学受験がスタート。
大学受験って長丁場で、1月15日の共通テストから始まり、2月25日~26日の2次テストまで1か月以上も続きます。
第一志望に受かって欲しい、
自力で合格を掴んで、
自信を持って人生を歩み始めて欲しい。
親は祈るしかなくて、
犬と一緒に近所の神社まで足を延ばしたところ、グリコのおまけが『ぎっくり腰』
きっとこの代償で夢は叶う
と信じることにしましょう。
そういえば、今日は2月1日。
東京の中学受験日ですね。
今年の受験は落ち着かない日々が続いていますので、受験生とそのご家族は気を揉んでいることと思います。
無事に終わるといいですね。
でも、それだけ気になる対象がいるというのは、なんて幸せなことだろうとも思えます。
子供に感謝しつつ、静かに日々を過ごしております。
ところで、ぎっくり腰になった直後は身動きできませんので、安静にしているしかないのですが、これが結構キツイ
寝返りも立ち上がることも困難となってしまい、要介護生活ってこういうことなのね
お年寄りに優しくしなくっちゃ!と体感したのでした。
今年はしっかり筋トレとストレッチをやるとしましょう。
本日は本題の「自足」について書こうと思います。
年始にフィーバーした養老熱で思ったこと。
養老先生は、坂口恭平さん(作家・建築家)について度々触れていますが、坂口さんは躁鬱のようで、そのような自分と折り合いをつけるために苦労してきたことを結論づけると、
1)居心地の悪いところから立ち去る。
2)資質に合わないことはやらない。
ということらしいのです。
居心地の良い状態というのは、頭で理解するものではなく、身体の調子が“良い”ということに他なりません。
カラダが心地よいと感じることをしていれば元気でいられるのに、
快適ゾーンから外れているのに、いろいろ考えすぎちゃって無理してしまうと、その誤差の蓄積が“ストレス”となってしまうのでしょうね。
よくありがちな例を挙げると、
・性格や価値観の不一致を押し殺し、家柄や収入など条件を優先してしまった結婚
・生理的に合わない家族でも“家族”という理由で無理に合わせて付き合うこと
・好きでもない仕事を、収入のために続けていること
・家族のためという理由で通勤地獄に耐えること
・ママ友さんとの無理なお付き合い
・化粧は身だしなみという強迫観念から、毎日ファンデーションを塗っていること!(本当は塗りたくないのに)
合わないことはやめて、みんなが「自足」してくれれば社会はもっと落ち着くんじゃないかと。
何で必死に余計なことをしているんだろうと、坂口さんは言うそうです。
人間形成途中の子供が、好き嫌いだけを行動規範にしていいかどうかは疑問ですが、
いい歳した大人は、自分の価値基準をもとに行動し、「自足」することに大賛成です。
養老先生は、
「自分にとって適切なヒトとしての生物学的状態を現代人の多くが把握できなくなっている」と仰っています。
快適か不快かの判断ができないと!
というか、身体感覚に基づいて行動できないってことなんでしょうね。
頭(理屈)で考えてしまうから。
なるほど~
スキンケアについても「自足」していない人が多くて、何かおかしいな??と感じていたのですが、そういうことなんだと思いました。
自分の肌にとっての「快適」が、良く分からなくなっている人たちがいて、「正しいスキンケアを教えて欲しい」と当院を受診されます。
スキンケア情報が多すぎて、情報洪水の中で溺れている人が多いこと
万人受けする正しいスキンケアなんてものはないのだから、
自分にとって快適か不快かで判断すればいいだけのことなんです、本当は。
だから私は、「その人にとって正しいスキンケア」をお伝えするようにしていますが、目指すところはその人が自分で判断できるようになること。
「これでいいんだ~」と自分で判断できるようになって欲しいのです。自足して欲しい。
こういう身体感覚を身に付けるには、やはり子供の頃からカラダを動かし、いろんな経験をすることに尽きると思います。
都会暮らしで、ゲームや塾ばかりの生活をしていては、身につかないんじゃないかなと思います。
子供同士の方がいろんな人たちとフラットに付き合えるから、自分と異なる環境の人たちと接し、多様性を肌で感じることは、身体感覚を磨く上でも大切なのではないかと思います。
自分の快適を求めるなら、他人の快適も認めてあげる寛容さも必要です。
他人の「自足」を一緒に喜んであげられるようなゆとりが持てたら、幸せな社会になれそうです。